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2002 年度 実績報告書

高等植物の細胞接着機構に関わる遺伝子の同定とその発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 14360204
研究機関筑波大学

研究代表者

佐藤 忍  筑波大学, 生物科学系, 助教授 (70196236)

キーワードペクチン / グルクロン酸 / 遺伝子 / タバコ
研究概要

半数体Nicotiana plumbaginifoliaの葉切片にアグロバクテリウムを介してT-DNAを導入し、不定芽形成能力の喪失と共に細胞接着性の低下した変異体を作出した。そのうちnolac-H18株において、変異の原因遺伝子として新規糖転移酵素遺伝子=NpGUT1(glucuronyltransferase 1)が同定された。NpGUT1は、ペクチン多糖にグルクロン酸を転移する新規酵素をコードするペクチン合成に関わる初めての遺伝子で、頂端分裂組織で特に発現が強かった。また、変異体のペクチンではホウ素を介した分子間架橋が形成されなかった。
次に、pNpGUT1::GUS形質転換タバコを用いて、生育ステージによる発現解析を行ったところ、NpGUT1は、球状胚、心臓型胚、魚雷型胚といった若いステージの種子胚の全体、発芽直後の子葉・茎頂、芽生えの茎頂および篩部・維管束形成層で発現を示した。花においては、タペート組織、成熟花粉、花粉管の先端部、花柱の伝達組織において発現が見られた。
以上のことから、NpGUT1は、ペクチンのホウ素架橋の形成に重要であることが明らかとなったが、この遺伝子はメリステム等における細胞接着ばかりではなく花粉管と花柱伝達組織の間における接着にも重要であることが示された。今後さらに詳細な発現解析を行うと共に、その翻訳産物の細胞内局在性を明らかにすることにより、ペクチン生合成のメカニズムと、細胞接着における働きが明らかになることが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Iwai H, Masaoka N, Ishii T, Satoh S: "A pectin glucuronyltransferase gene is essential for intercellular attachment in the plant meristem"Proc Natl Acad Sci USA. 99(25). 16319-16324 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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