研究概要 |
平成15年度は、下記のことを達成した。 オリゴ糖鎖とそのコンジュゲートの合成、免疫化学分析による抗体の特異性分析 ヘプトース(Hep)の2、3位で分岐した糖鎖の合成には、二級水酸基の選択的保護、脱保護が必要である。シリル基を利用して3-OHの選択的保護、4-OHのアセチル化、引き続いて脱保護を行い、2、3分岐糖鎖合成のためのアクセプターを高収率で合成した。このアクセプターを用いて、選択的αグリコシル化反応により、上記の分岐糖の合成を達成。この二級水酸基の選択的保護、脱保護は、2、3分岐のみならず、3,4,そして、2,3,4位で分岐した構造の合成に応用できる。 オリゴ糖鎖とタンパクとのカップリング反応条件を検索し、オリゴ糖鎖タンパクコンジュゲート合成に重要な基礎条件を確立した。オリゴ糖鎖のスペーサーの導入のために必要な二つの条件:1)活性化した糖鎖を高収率で合成し、また、2)α選択的グリコシル化反応条件を決定することにより、スペーサーの導入条件を確立した。更に、タンパクとのコンジュゲート合成を行った。 更に、リポオリゴ糖(LOS)を認識する抗体の、微量ウエスタン分析条件を確立し、この確立した条件を使用することにより、LOSを認識する抗体の特異性分析を行い、LOSの糖鎖部分には、多数の糖鎖エピトープが発現することを見いだした。
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