研究概要 |
病原性グラム陰性細菌の産生するLOS/LPS分子内のコア糖鎖を利用した、属の枠に拘束されない広域糖鎖コンジュゲート開発研究が、本研究の目的である。我々は、糖鎖合成化学と免疫化学の手法を用いて以下の事を達成した。 15253LOS糖鎖に発現するオリゴ糖鎖(OS)、および、OSモデルコンジュゲートの合成 1)分岐オリゴ糖鎖合成の中間体,3-O-シリルHepの開発 2)3-O-シリルHep中間体を用いて、2,3-、3,4-、および、2,3-;3,4-両分岐OSの合成 3)モデルOSを用いてのコンジュゲート合成 4)立体選択的α-スペーサーKDOsideの合成 コアOSを認識するヒト抗体の解明とモデルOSコンジュゲートの免疫原性の検証 1)15253LOSのOSを認識する抗体の存在の証明により、15253OSが免疫原性を有することを解明。 2)LOS/LPSの分岐コアOSを認識する抗体の単離と特異性分析により、分岐コアオリゴ糖鎖を利用した広域糖鎖ワクチン開発が可能であることを明らかとした。 3)LOSの微量ウエスタン分析の確立:フェムトモルレベルでのLOSの微量ウエスタン分析を可能にした。 4)合成糖鎖コンジュゲートの免疫原性分析 上記した合成化学と免疫化学を統合したアプローチにより、広域糖鎖コンジュゲート開発研究おける基礎を確立した。
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