研究課題/領域番号 |
14360209
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小埜 和久 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10144883)
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研究分担者 |
河本 正次 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (90294537)
秋 庸裕 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (80284165)
重田 征子 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (10034381)
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キーワード | ダニアレルギー / アレルゲノーム解析 / Th1 / Th2バランス調節 / UK114様タンパク質 / 高分子抗原 |
研究概要 |
ダニ粗抗原を二次元電気泳動で分画して、各スポットのダニアレルギー患者11名とのIgE抗体反応頻度を求めたところ、9-100%と様々なIgE抗体結合スペクトラムを示した。反応頻度は低いが反応強度の高いスポットもあった。また、患者が認識するスポットの個数も8-77個と異なり、患者固有の感作抗原パターンを示した。現在、このアレルゲノーム解析の精度を高めるために、検体数を増やしてデータを蓄積しているところである。一方、減感作治療で著効成績をおさめたHM2画分に対する抗血清を用いて、構成成分遺伝子をクローニングして、Der f3、Der f6、Der f9(?)、Der f15あるいは18、Der f16、Der f17、UK114様タンパク質(Mag133)を含む10種類のアレルゲン遺伝子を取得した。これら構成成分の全塩基鎖長遺伝子の取得および天然型アレルゲンの免疫生化学的特性の解明を引き続き行っている。天然型Mag133はHM2中に16kD成分として存在しているが、組換え型がDer f2とほぼ同程度のIgE結合頻度を示すことから、重要なアレルゲンである。免疫していない、SPF環境下で飼育したBalb/cマウスの脾細胞および精製T細胞を用い、Mag133でプライムしCD3/CD28で活性化すると、細胞増殖には影響することなく、間接的にIL-4の産生誘導と直接的にINF-γの産生抑制が観察された。この作用は、アレルギー感作(Th1/Th2バランス調節)に重要な役割を担う可能性を示唆している。高分子抗原HM1は健常者およびアレルギー患者のT細胞増殖を、単球・マクロファージ系の細胞を介して促進するが、一方、アレルギーモデルマウスでもマクロファージのiNOS mRNAとNO産生を、並びに、T細胞増殖を誘導し、気道過敏性の持続に重要な役割を担う可能性を示す結果を得た。
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