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2005 年度 実績報告書

胸部特異的助骨形成における組織間相互作用とその分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 14370006
研究機関広島大学

研究代表者

青山 裕彦  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70143948)

研究分担者 坂本 信之  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90346487)
松井 浩二  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80183945)
キーワードボディプラン / 中軸骨格 / 体壁筋 / 脊椎動物 / 体節中胚葉 / 形態形成 / 個体発生 / 傾倒発生
研究概要

体壁の部域化と四肢の形成との関わり
胸壁の筋,肋間筋は明らかに分節的に構築されている.一方腹壁の筋には分節構造が不明瞭である.われわれはその発生由来を調べ,腹壁筋はその大部分が左右1対の体節に由来することを明らかにした.腰部体節の大部分は肋骨を形成しないばかりではなく,体壁の筋をも形成しないのである.そのかわり,これらの体節は下肢の筋の起源となっている.ここから,系統発生上,四肢の形成により頸部や腰部で肋骨が失われたのかという仮説を立てた.本年度は,個体発生においてこれが再現できるか,胸部に異所的に四肢を形成させ,肋骨形成,肋間筋形成の有無を調べた.ニワトリ2日胚の体側部(前肢と後肢の間),表皮外胚葉と側板中胚葉の間に,ウズラ胚より得た前肢芽あるいは後肢芽レベルの側板中胚葉壁側板を移植した.対照として,体側部のそれを移植した.前/後肢芽側板中胚葉を移植したものに限って過剰肢が形成された.胸部に過剰肢が形成された場合,肋骨椎骨部はほぼ正常であったが,肋骨胸骨部はその肋間筋とともに失われていた.胸部に形成された過剰肢の筋は宿主であるニワトリ細胞からなっており,またトレーサー実験からもそれらは胸部体節に由来することが示された.胸部体節は,本来,肋骨や肋間筋を含む体幹の骨格や筋の原基である.以上の結果は,過剰肢の誘導が,肋骨胸骨部およびその肋間筋を形成するはずの前駆細胞を過剰肢の筋を形成するように変えたと説明できる.近年,Ann Burkeは,体節由来の筋や骨格を従来と異なり発生学的に分類することを提唱している.Primaxial要素は従来の分類である軸上筋に加えて肋骨椎骨部とその肋間筋からなり,abaxial要素は,腹壁筋,肋骨胸骨部とその肋間筋,そして四肢の筋を含む.従来の分類でいえば肋骨はすべて軸下要素に属するが,今回の結果は,肋骨/肋間筋の椎骨部と胸骨部の発生的制御の違い,そしてabaxial要素間の可塑性を示している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Three developmental compartments involved in rib formation2005

    • 著者名/発表者名
      Aoyama, H., Mizutani-Koseki, Y., Koseki, H.
    • 雑誌名

      International Journal of Developmental Biology 49

      ページ: 325-333

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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