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2002 年度 実績報告書

血管の緊張異常を制御する新規の細胞内シグナル分子の同定とその情報伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14370014
研究機関山口大学

研究代表者

小林 誠  山口大学, 医学部, 教授 (80225515)

研究分担者 佐藤 正史  山口大学, 医学部, 助手 (20346547)
最上 紀美子  山口大学, 医学部, 助手 (80263771)
キーワード血管平滑筋 / 血管異常収縮 / Ca^<2+>非依存性収縮 / Rhoキナーゼ / Srcファミリーチロシンキナーゼ / カルシウム / スフィンゴ脂質 / 細胞内シグナル伝達
研究概要

血管病(心筋梗塞や脳卒中など)は、合計すると我が国死因の第1位となる。これらの血管病において認められる血管の緊張異常の原因として、血管平滑筋のCa^<2+>非依存性の異常収縮が注目されている。従って、このCa^<2+>非依存性収縮を引き起こすメカニズムとその原因因子を解明することによって、血管病の予防法や治療法を開発することが、国民衛生上の緊急・最重要課題である。
本研究では、冠動脈および脳血管を用いて、血管平滑筋のCa^<2+>非依存性の異常収縮を制御する細胞内シグナル伝達メカニズムを解明する事を目的とする。下記のような成果を得た。
1)細胞膜スフィンゴ脂質の代謝産物であるスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)が、血管平滑筋のCa^<2+>非依存性の異常収縮を引き起こすシグナル分子であった。
2)SPCは、Srcファミリーチロシンキナーゼを活性化し、Srcファミリーチロシンキナーゼを細胞質から細胞膜へ移動させた。
3)SPCは、Rhoキナーゼを活性化し、Rhoキナーゼを細胞膜から細胞質へ移動させた。
4)SrcファミリーチロシンキナーゼおよびRhoキナーゼの阻害薬を用いた実験により、SPCは、まず、Srcファミリーチロシンキナーゼを活性化させ、さらに、その下流の因子として、Rhoキナーゼを活性化する事によって、血管平滑筋のCa^<2+>非依存性の異常収縮を引き起こすものと考えられた。
5)Srcファミリーチロシンキナーゼの酵素活性を阻害する薬物、およびそのトランスロケーションを阻害する事が知られている脂質は、SPCによる異常収縮を著明に抑制した。
これらの成果により、Srcファミリーチロシンキナーゼは、血管のCa^<2+>非依存性収縮に関与している事が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shirao S et al.: "Sphingosylphosphorylcholine is a novel messenger for Rho-kinase-mediated Ca^<2+> sensitization in the bovine cerebral artery : unimportant role for protein kinase C"Circulation Research. 91. 112-119 (2002)

  • [文献書誌] Nakao F et al.: "Involvement of Src family protein tyrosine kinases in Ca^<2+> sensitization of coronary artery contraction mediated by a sphingosylphosphorylcholine-Rho-kinase pathway"Circulation Research. 91. 953-960 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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