研究課題/領域番号 |
14370016
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
小西 真人 東京医科大学, 医学部, 教授 (20138746)
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研究分担者 |
渡辺 賢 東京医科大学, 医学部, 講師 (60191798)
宮崎 武文 東京医科大学, 医学部, 講師 (60147212)
中山 晋介 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30192230)
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キーワード | Mg輸送体 / 細胞内Mg / 交換輸送 / Na / 蛍光Mg指示薬 / 心筋 / 分子クローニング / Mg耐性 |
研究概要 |
DNAマイクロアレイを用いてMg耐性変異細胞と野生細胞とを比較し、Mg耐性細胞に特異的に高発現しているcDNAをスクリーニングした。その結果より得られた候補遺伝子のうち、CRR9(cysplatin-resistance-related gene 9:CRR9-1 and CRR9-2)を野生細胞に導入し、Mg輸送活性を比較した。これらのcDNAを導入した細胞では静止時Mg濃度は高く、Mg汲みだし活性もcDNAを導入しない細胞と有意な差はなかった。この結果、CRR9がMg輸送担体をコードする遺伝子である可能性は低いと考えられた。現在、他の候補遺伝子のスクリーニングを行っている。 分子クローニングと並行して、心筋細胞を用いてNa-Mg交換輸送の特性を詳細に検討した。ラットの心臓から急性単離した心室筋細胞を高Mg低Na濃度溶液に浸漬することにより、細胞内にMgを負荷後、細胞外にNaを環流し、細胞からのMgの汲みだし速度を測定した。Mg汲みだし速度は、初期細胞内Mg濃度が高いほど速く、静止Mg濃度ではほぼゼロになった。Mg汲みだしが最大の50%活性化される初期Mg濃度は約1.5mMであった。細胞外Mg濃度を増加させると、Mg汲みだしは有意に抑制され、細胞外Mg濃度が10mMの時50%抑制された。ouabain処理により細胞内Na濃度を上昇させると、Mg汲みだし速度は低下した。細胞内Na濃度を蛍光指示薬SBFIで測定したところ、細胞内Na濃度が約40mMの時、Mg汲みだしは50%抑制された。細胞外Naが増加するとMg汲みだしは活性化され、細胞外Na濃度が53mMの時最大の50%の活性が得られた。以上の結果は、温血動物心筋細胞にNa-Mg交換輸送体が発現していることを強く示唆し、Na-Mg交換輸送が細胞内外のNa、Mg濃度により制御されていることを示した。
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