研究課題/領域番号 |
14370017
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
岡村 康司 岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 教授 (80201987)
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研究分担者 |
岩崎 広英 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (30342752)
海老原 達彦 産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究員
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キーワード | イオンチャネル / カルシウム / 電位依存性チャネル |
研究概要 |
(1)不完全長型分子によるCaチャネル電流抑制機構:全長型Caチャネルサブユニットタンパク量が、不完全型長サブユニットの共発現により、変化するかどうかを、BHK6細胞への強制発現系を用いたパッチクランプ法およびWestern blot法により検討した。以前のXenopus oocyteでの発現実験と同様に、BHK細胞においても不完全長サブユニットにより、Caチャネル電流量は有為に減少することが確認された。パッチクランプを行なった同じバッチのtransfectionした細胞から、タンパク量の定量を行なうと、不完全型サブユニットの共発現により有為に減少し、導入する不完全長型の量に依存して減少することが明らかになった。一方、不完全長型タンパクは、少量しか検出されず、不溶出分画へ移行している可能性が示唆された。そこで、不溶出分画についてもWestern blotを行なったところ、不完全長型タンパクは不溶出分画へ多く存在しており、同時に不完全長型分子を共発現させることにより全長型タンパクが不溶出分画へ移行することが見出された。これらの結果は、不完全長型タンパクが正常なタンパクフォールディングが行なわれず、また全長型タンパクと相互作用することにより全長型タンパクのタンパク合成を抑制するか、分解を促進する可能性を示した。(2)サブファミリー特異性の機構:Cav2.1に関しても同様な不完全長型分子を作成したところ、Cav1.2およびCav2.1に対して抑制効果を大きく示さないことが明らかになった。従って、不完全長型分子による抑制は、L型Caチャネルに特異的な分子機構に基づく可能性が示された。
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