研究課題
基盤研究(B)
本研究では、延髄の血管運動中枢を構成するニューロンが機能別に存在することを証明する。1)皮膚血管運動調節ニューロン、2)心臓交感神経活動調節ニューロン、3)内臓血管運動調節ニューロン、4)筋血管運動調節ニューロン、この4種類の網様体脊髄路ニューロンの延髄腹側内での分布の違い、上位中枢からの入力によって生ずる反応の違い、末梢からの入力によって生ずる反応の違いを明らかにすることによって、延髄内心臓血管運動中枢の実体を明らかにすることを目的とする。皮膚血管運動を支配していると考えられる延髄のプレモータニューロンの同定を試みた。麻酔ウサギの耳介交感神経の活動を記録し、視床下部体温中枢を加温刺激した。耳介交感神経の活動は低下し、血管拡張反応が生じた。このような標本で、吻側延髄腹側から、第二頸髄の背外側索に留置した電極によって逆行性のスパイクの有無で確認された網様体脊髄路ニューロンの活動を記録したところ、体温調節中枢の加温刺激に対して耳介交感神経の反応の時間経過ときわめてよく一致する反応を示すニューロンが存在した。このようなニューロンは耳介交感神経同様に動脈圧受容器の刺激には応答せず、また動脈圧受容器の刺激に応答する網様体脊髄路ニューロンは視床下部の加温刺激に応答しなかった。したがって、この視床下部加温刺激に抑制応答を示す吻側延髄腹側の網様体脊髄路ニューロンが皮膚血管収縮交感神経のプレモータニューロンであると結論された。現在この実験結果の論文を投稿中である。低酸素に迷走神経切除ウサギを曝すと心臓交感神経活動が低下し心拍数が減少する。この反応を利用して上記同様に延髄内の網様体脊髄路ニューロンを検索した。その結果低酸素暴露で活動が、心臓交感神経同様に減少するニューロンを吻側延髄腹外側部で同定した。このようなニューロンが心臓交感神経のプレモータニューロンであると考えられる。この結果は現在投稿準備中である。
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