研究課題/領域番号 |
14370024
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
河南 洋 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00049058)
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研究分担者 |
石塚 雄太 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (20264377)
加藤 和男 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80284834)
國武 孝人 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20234461)
白阪 哲朗 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00274788)
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キーワード | ニューロメジンU / 自由行動・意識下ラット / 心血管系 / 交感神経活動 / 脳スライス実験 / パッチクランプ法 / 視床下部室傍核 / I_h電流 |
研究概要 |
オーファンG蛋白共役レセプター(GPCR)のリガンドであることが最近同定されたニューロメジンU(NMU)は脳内にも広く存在するが、その作用はまだ明らかでない。NMUレセプター(FM-3/4)は視床下部特に室傍核(PVN)に数多く認められ、自律神経・内分泌系調節に関わっていることが示唆されている。そこで本年度、次のin vivo並びにin vitro実験系でNMUの自律神経系並びに心血管系に対する中枢作用を調べた。 1 in vivo実験:慢性的に動脈並びに静脈カテーテルを留置し、また側脳室内へ注入するためのガイドカニューレをまず頭蓋骨にセメントで固定した。手術・麻酔侵襲から回復後、NMU(0.05,0.5nmol)を投与すると血圧と心拍数の増加が用量依存的に認められた。一方静脈内へNMU(0.5nmol)を投与したがなんら変化は見られなかった。 次に動脈から採取した血液中ノルアドレナリン濃度を電気化学検出器付きHPLCで測定した。NMU投与により有意な増加が認められた。従ってNMUは中枢性に交感神経活動を亢進させ、血圧・心拍数を増加させる作用があることが示唆された。 2 in vitro実験:NMUの脳内作用部位並びに作用機序を明らかにするため次の実験を行った。生後10-14日ラット脳から視床下部室傍核(PVN)を含む脳スライス標本を作製し、パッチクランプ法でPVNニューロンのNMUに対する反応を調べた。NMUを潅流液を介して投与すると一部のPVNニューロンは脱分極を伴って活動電位増加を示した。このタイプのニューロンは電気生理学的特徴からタイプIIすなわち小細胞性ニューロンであることが判明した。さらに電気生理学並びに薬理学的性質より、関与する電流は過分極により活性化される電流、I_hであることが示唆された。
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