研究課題/領域番号 |
14370038
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
宮崎 瑞夫 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10047186)
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研究分担者 |
村松 理子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30330096)
金 徳男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90319533)
高井 真司 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80288703)
岡本 由記子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10268188)
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キーワード | キマーゼ / キマーゼ阻害薬 / 心筋梗塞 / 心機能 / 大動脈瘤 / アンジオテンシンII / アンジオテンシン変換酵素 / アンジオテンシンII受容体拮抗薬 |
研究概要 |
本年度の目標であの「ハムスター心筋梗塞モデルを用いた梗塞心におけるキマーゼの役割」の解明を行うため、ハムスターの冠状動脈を結紮する心筋梗塞モデルの心不全に対するキマーゼ阻害薬の有用性について検討した。手術5日前よりキマーゼ阻害薬(BCEAB)およびプラセボを手術後2週間まで投与する。心機能、組織学的、生化学的解析を経時的に行った。組織学的解析は、一般染色およびアザン染色を行うことにより梗塞面積に対するキマーゼ阻害薬の効果も解析した。 心筋梗塞後3日の時点の心臓キマーゼ活性とアンジオテンシン変換酵素活性を解析したところ、心臓のキマーゼ活性、アンジオテンシン変換酵素活性、ともに有意に増加していた。一方、キマーゼ阻害薬を投与したハムスターの心臓では、キマーゼ活性のみの有意な抑制が認められた。そして、心筋梗塞後3日の時点の心機能(+dP/dt、-dP/dt)は、有意に減少していたが、キマーゼ阻害薬を投与したハムスターでは、心機能が有意に改善されていた。また、心筋梗塞後2週の時点の死亡率もキマーゼ阻害薬は有意に低下させた。以上のことから、心臓キマーゼの増加は、心筋梗塞後の心機能低下および死亡率に大きく関与していることが明らかになった(Life Sci 2002;71:437-446)。 また、関連研究として、大動脈瘤とキマーゼの関与についても解析を行い、大動脈瘤局所では、キマーゼの活性が有意に増加することを確認し、大動脈の発症または進行機序に重要な役割を果たしている可能性を報告した(J Thorac Cardiovasc Surg 2002;124:621-625、Life Sci 2002;71:2195-2205)。
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