研究課題
種を越えた活性酸素NO系スーパーシステムの重要を検証する目的で、(1)高脂血症ウサギ(WHHL)、自然発症高血圧ラット(SHR)、誘導型一酸化窒素(NO)合成酵素ノックアウトマウス、変異スーパーオキシドディスムターゼ(SOD1)トランスジェニックマウスなどを用い、動脈硬化、高血圧、発癌増殖速度異常、及び運動神経変性(筋萎縮性側策硬化症)などが本スーパーシステムの組織特異的病態を共通基盤として発症していることを明らかにした。(2)Xenopasの尾部短縮反応、無菌カイコやクワガタムシなどの昆虫類の変態や初期形態形成がiNOS誘導と酸化ストレス及びミトコンドリア依存性アポトーシスで制御されていること、NO発生剤の狭心症薬(ニトログリセリンなど)で両現象が劇的に加速誘導されること、及びミトコンドリアのβ酸化を介してエネルギー代謝を加速するカルニチンにより変態過程や運動神経変性病態(FALSと筋ジストロフィーモデルマウス)が抑制されることを明らかにした。さらに、サケが川を遡る際(イオン輸送系機能変態現象)にも血中のNO代謝産物が激変することが判明し、魚類の環境適応制御機構にも活性酸素NO系スーパーシステムが関与する可能性が示唆された。(3)これらの実験から、活性酸素・抗酸化系のスーパーシステムが種を越えた共通分子機構として多彩な生物の生存危機管理を模索するスーパーシステムとして機能すると同時に、その歪みが様々な病態の基盤となる可能性が示唆された。
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