研究課題/領域番号 |
14370065
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野口 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (00198582)
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研究分担者 |
落合 淳志 国立がんセンター, 研究所支所・臨床腫瘍病理部, 部長 (60183034)
飯嶋 達生 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (40222799)
森下 由紀雄 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (20271562)
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キーワード | マイクロダイセクション法 / 肺腺がん / 発現遺伝子ファイル / 上皮内がん / 初期浸潤がん |
研究概要 |
本年度は以下の研究を遂行した。 1、実際に発現遺伝子のプロファイル検索を限定した系で体験するために昨年度cDNA Array Filter System (TOYOBO CO, LTD)を用いて小型腺がんの初期浸潤の形態像の特徴である線維芽細胞の特徴を明らかにするための実験を行い、腫瘍部線維芽細胞の方が正常部のそれより高発現している遺伝子としてMLH1が、また逆に正常部線維芽細胞の方が腫瘍部のそれより高発現している遺伝子としてCox1が明らかになった。この結果をまとめた論文はCancer Scienceに投稿し、受理された。 2、ライカのマイクロダイセクションシステム(LMD)を用いてNNKによるAJマウス肺腺がんの化学発がんモデルで発生した腺腫と正常肺との間でTALPAT-SSH法(T7 Adapter Ligation PCRF Amplification T7、suppression subtraction hybridization)にて発現遺伝子の差異の網羅的解析を行った。マウス腺腫に特徴的に高発現していた遺伝子としてsurfactant apo A(SPA)とlysozymeが単離されin situ hybridization法にて腫瘍細胞での発現が確認された。SPAの発現は腺がんが2型上皮細胞から発生するとする現在の考え方を支持するがlysozymeの発現は新しい知見といえる。この結果は現在英文論文投稿中である。 3、本研究の主要な目的である肺腺がんの初期浸潤の分子機構の解明のためにLMD法を用いて初期浸潤腺がん(type C)の浸潤部細胞を上皮内がん細胞とを別々に採取し、TALPAT-SSH法を用いてこれらの間の発現遺伝子の差異を網羅的に解析を開始した。
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