研究課題/領域番号 |
14370079
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 宮崎大学 (2004) 宮崎大学(医学部) (2002-2003) |
研究代表者 |
片岡 寛章 宮崎大学, 医学部, 教授 (10214321)
|
研究分担者 |
伊藤 浩史 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80253847)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / HGF activator / HAI-1 / HAI-2 / H2RSP / 胃腸管粘膜再生 / 分化 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
細胞膜表面においては、種々の増殖因子前駆体や細胞外基質分解酵素前駆体の活性化とその制御が活発に行なわれ、細胞の増殖や分化、遊走・浸潤に重要な意義を持っている。研究代表者はプロテアーゼと細胞膜結合型プロテアーゼインヒビターによるこれらの活性化反応とその制御機構、そしてこれらの反応がさまざまな病態において持つ意義について研究を行なってきた。 本研究では、これらのプロテアーゼと膜型インヒビターによる生理活性物質活性化調節機構の胃腸管粘膜上皮の再生修復における意義を、多機能増殖因子として胃腸管粘膜再生においても重要な役割を有することが分っている肝細胞増殖因子(HGF)の活性化機構に焦点をあて、この活性化機構において重要な役割を持つ分子のノックアウトマウスの作成とそれらの表現形の解析を中心に研究を行なった。その結果、胃腸管粘膜上皮の初期再生におけるHGF活性化機構の重要性を証明することが出来た。また、HGF活性化酵素(HGF activator)のインヒビターである、細胞膜結合型プロテアーゼインヒビター"HAI-1"が、胎盤形成に必須であり、HAI-1ノックアウトマウスは胎生致死であることも示され、HAI-1が予想外の、しかし極めて重要な生体内機能を有していることも明らかとなった。本研究の過程で作成したHGF activatorのノックアウトマウスと、HAI-1のノックアウトマウスは、今後、当該分野における必要不可欠な研究ツールとなると思われる。 本研究では、更に、胃腸管上皮細胞に発現している新規の核移行蛋白であるH2RSPについても、免疫組織学的および細胞生物学的検討を行なった。その結果、H2RSPが上皮細胞の増殖停止と分化に伴って核に移行する可能性を見出した。
|