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2003 年度 実績報告書

マウス肺発癌耐性遺伝子Par2のポジショナルクローニング

研究課題

研究課題/領域番号 14370083
研究機関(財)冲中記念成人病研究所

研究代表者

李 康弘  財団法人冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (10261405)

研究分担者 北川 知行  財団法人癌研究会, 癌研究所, 所長 (50085619)
キーワードマウス / 肺発癌 / 耐性遺伝子 / 候補遺伝子 / Par2 / Polι / BALB / 3T3 / 形質転換
研究概要

我々はBALB/cマウスのウレタン誘発肺発癌耐性遺伝子であるPar2のポジショナルクローニングを目指している。昨年度までに、Par2を含む第18染色体の約20cMの領域をC57BL/6からBALB/cに移入したBALB.B6-Par2 congenic系統を樹立し、Par2の第18染色体上の位置を約0.5cMの領域に絞った。さらに、BALB.B6-Par2とBALB/cとの間でキメラマウスを作製し、Par2形質の責任因子は腫瘍化標的細胞自身に存在することを明らかにするとともに、Par2形質の責任因子は二段階発癌説におけるイニシエーションへの感受性を修飾することを示した。Par2形質に関するこれらの情報に従って、セレラ社のmouse genome databaseを検索したところ、約0.5cMのPar2領域に極めてfidelityの低い損傷乗り越え型DNA polymeraseであるPolιの遺伝子が存在することを発見した。様々なマウス純系のPolι cDNAの塩基配列を決定すると、BALB/c Polι cDNAのcDNAはsingle nucleotide polymorphismやアミノ酸配列の観点から、非常に特異であることが明らかになった。よって、現在我々は、BALB/cのPolιが他系統のそれに比べ活性が低いか、或いは、質的にfidelityが高いなどの原因により、ウレタンによるイニシエーションの際に癌関連遺伝子の変異頻度を下げ、腫瘍発生を減じているのではないかと推測している。
今年度は、Polι遺伝子の形質転換能を調べる為、BALB/3T3細胞に同遺伝子を導入し、強制発現させたところ、対照に比し高頻度の形質転換が観察された。Polιの強制発現により、DNA複製におけるfidelityが減少し、突然変異の増加と細胞の形質転換がもたらされるものと考えられ、我々の仮説を支特する実験結果である。今後、この試験管内モデルを利用してPolιによる形質転換の分子機序について明らかにし、さらには生体内における肺腫瘍発生との関わりについても追求して行く。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Lee, G.-H., et al.: "Analysis of lung tumorigenesis in chimeric mice indicates the Pulmonary adenoma resistance 2 (Par2) locus to operate in the tumor-initiation stage in a cell-aulonomous manner : detection of polymorphisms in the Polι gene as a candidate for Par2."Oncogene. 22. 2374-2382 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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