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2003 年度 実績報告書

リステリア属細菌由来ヘモリシンのマクロファージ内活性発現の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 14370092
研究機関京都大学

研究代表者

光山 正雄  京都大学, 医学研究科, 教授 (10117260)

キーワードリステリア / ヘモリシン / エスケープ / サイトカイン / 病原性 / 細胞内寄生菌
研究概要

リステリア属細菌に由来するヘモリシン蛋白によるマクロファージ活性化、サイトカイン誘導の機構に関し、これまでは主としてリコンビナントタンパクを用いて解析をしてきた。本年度は、リステリア菌(Listeria monocytogenes)のLLO遺伝子(hly)をインフレームに欠損させた変異株(Δhly株)を樹立し、種々のヘモリシン遺伝子を組み込んだプラスミドをΔhly株に入れて発現させたものを作製して研究を行った。Δhly株はマウスに対する病原性が著明に低下し、マクロファージヘの感染率は野生株と同等であったが、食胞から脱出して細胞質で増殖することはできなかった。この株に正常なhly遺伝子をプラスミド性に保有させると、その病原性やエスケープ能は回復した。Δhly株によるサイトカイン産生誘導活性は野生株に比べ著明な低下がみられ、hly遺伝子の補完で回復した。この条件で種々のLLO関連遺伝子の役割を比較したところ、LLOの1-3ドメインをコードする第4ドメイン遺伝子欠損プラスミドや第4ドメイン部分だけの遺伝子を組み込んだプラスミドでは食胞からのエスケープは回復せず、サイトカイン誘導活性も低いままであった。L.seeligeriのLSO遺伝子プラスミドではエスケープが弱く、サイトカイン誘導能の回復もあまり強いものではなかった。さらにL.ivanoviiのILO遺伝子を組み込んだプラスミドでは、食胞からのエスケープはみられたが、サイトカイン応答はあまり亢進されなかった。以上より、食胞からの脱出のみならず活性の高いヘモリシンタンパクが細胞質で産生されることが、リステリア感染での自然免疫応答誘導に必須であると結論された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ito, Y., et al.: "Seeligeriolysin O, a cholesterol-dependent cytolysin of Listeria seeligeri, induces gamma interferon from spleen cells of mice"Infect.Immun.. 71(1). 234-241 (2003)

  • [文献書誌] Kimoto, T., et al.: "Differences in gamma interferon production induced by listeriolysin O and ivanolysin O result in different levels of protective immunity in mice infected with Listeria monocytogenes and Listeria ivanovii"Infect.Immun.. 71(5). 2447-2454 (2003)

  • [文献書誌] Mitsui, T., et al.: "Impaired neutrophil maturation in truncated murine G-CSF receptor-transgenic mice"Blood. 101(8). 2990-2995 (2003)

  • [文献書誌] 光山 正雄, 野村卓正: "細胞内寄生菌感染とIL-18"臨床免疫. 39(1). 41-47 (2003)

  • [文献書誌] 光山正雄, 土屋晃介: "細胞内寄生菌感染とNO"医学のあゆみ. 204(9). 679-683 (2003)

  • [文献書誌] 光山正雄: "結核免疫学の動向と課題"Kekkaku(結核). 78(1). 51-55 (2003)

  • [文献書誌] 光山正雄: "Annual Review免疫(分担執筆)"中外医学社(東京). 315 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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