研究課題/領域番号 |
14370097
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平松 啓一 順天堂大学, 医学部, 教授 (10173262)
|
研究分担者 |
桑原 京子 順天堂大学, 医学部, 助手 (10167976)
山本 宗孝 順天堂大学, 医学部, 助手 (50338414)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
キーワード | 市中獲得型MRSA / 病院内獲得型MRSA / 一般健康児 / 健康成人 / SCCmec / MLST / PFGE / コアグラーゼ型 |
研究概要 |
2001〜2003年に宮城、京都、佐賀の3県における0つの保育園と2つの幼稚園で、818人について、鼻腔に存在するブドウ球菌の調査を行った。また、2003〜2005年には、臨床経験の無い医学部学生271人と、全国から集まった看護師経験5年以上の看護師86人につても同様の調査を行った。 保育園児818人のうち35人(4.3%)にMRSAが検出され、231人(28.1%)からMRC-NSが検出された。一方、大学生271人からは、2人(0.7%)のMRSAが、123人(45.4%)MRC-NSが検出された。また、看護師86人からは、3人(3.5%)のMRSAが、63人(73.3%)のMRC-NSが検出された。子供から分離された44のMRSAのSCCmecタイプの内訳は、タイプIIaが11、タイプIIbが19、タイプIVが14であった。SCCmec IIbエレメントは、本研究で新たに発見したエレメントである。 MRSA 44株のうち25%の11株はType IIaで、clonal complex5(CC5)に属し、コアグラーセタイプは2で、TSST-1を産生した。これらは、N315株を代表とする日本の病院型MRSAの一つである。一方残りの33株は、CC78、CC91に属しSCCmec type IIbまたはIVaで、コアグラーセタイプ1または3であり、表皮剥奪毒素を産生した。MRC-NSのうち最も多く検出された菌種は、Staphylococcus epidermidisで、Sccjnecは、typeIVであった。 以上のことより、MRSAは既に日本の健康児の中にも広がっており、MRC-NSは子供のみならず、大学生やとりわけ看護師に多く蔓延していた。Type IV SCCpcは、市中獲得型MRSAを特徴づけるカセットである。今回の研究から、MRC-NSがこのカセットのreservoirとなっていることが示唆されたとともに、健康成人におけるMRC-NSの蔓延が確認された
|