研究課題/領域番号 |
14370105
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
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研究分担者 |
佐々木 潤 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70319268)
前野 芳正 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (70131191)
守口 匡子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (60298528)
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キーワード | ヒトロタルス / 人工感染粒子 / リバースジェネテックス / サルロタウイルス / VP4遺伝子 / 胃腸炎 |
研究概要 |
ロタウイルスのリバースジェネテックス開発に向け、ヘルパーウイルスを利用する方法、利用しない方法、さまざまな手法で、試みを行い、結局、本研究期間の最後に、ヘルパーウイルスを利用する方法により、1つの人工感染性ウイルスの作成に成功した。 ワクチニアウイルスDIEの変異株DIsにT7ポリメラーゼ遺伝子を挿入したDIs-T7を、COS7細胞に感染し、次いで、T7プロモーター-SA11株由来VP4遺伝子-D型肝炎リボザイム-T7ターミネーターのプラスミドをCOS7細胞にトランスフェクトし、ヘルパーウイルスとしてヒトロタウイルスKU株を接種した。感染細胞培養液をMA-104細胞に、YO-2C2抗体(KU株のVP4を認識し、SA11株のVP4を認識しない中和モノクロナール抗体)存在下で培養し、出現したウイルスを得た。 SA11由来のVP4遺伝子が導入されたキメラウイルス株が1クローンではあるが、生成された。効率がきわめて低いとはいうものの、これは、世界初の人工感染性ウイルスと言いうる。ロタウイルスにおいて、人工感染性粒子の系の開発が可能であるか不可能であるか、予測がつかない状態で実験を行ってきた。事実、このリバースジェネテックス開発については、ほぼ15年以上にわたり、世界中で精力的に研究が進められてきたにもかかわらず、なんら、成功の報告がいまだにない。そこで、1クローンではあるが、人工感染性ウイルスを分離できた意義はきわめて大きい。今後、この成功を説得力のある形で実証すること、変異導入ウイルスの形質を調査することに、集中したい。現在、VP4遺伝子にサイレント変異を数カ所導入した変異VP4遺伝子を有する人工感染性ウイルスの分離を試みている。
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