研究課題
基盤研究(B)
我々は、ヘルパーウイルスを用いる系で、VP4遺伝子に限定されてはいるが、世界に先駆けて、ロタウイルスのリバースジェネテックスの開発に成功した。方法は以下の通りである。1)増殖が良く、トリプシン非依存性のサルロタウイルスSA11-L2クローンのVP4遺伝子を挿入したプラスミドpT7/VP4(SA11-L2)を作成した。2)CO7細胞にT7RNA pol発現ワクシニアウイルスを感染した。3)PT7/VP4(SA11-L2)をトランスフェクトした。4)ヘルパーウイルスとして、ヒトロタウイルスKU株をCOS7細胞に感染し、2日間培養した。5)培養液をMA104細胞に感染し、モノクロン抗体YO-2C2(ヘルパーウイルスKU株の増殖を特異的に抑制する)存在下で培養した。6)培養液よりRNAを抽出し、アクリルアミド電気泳動によりRNAパターンを確認した。この手法により、我々は、人工的にVP4遺伝子を導入した感染性ロタウイルスの調製に成功した。次いで、上述と同様の方法により、VP4遺伝子に人工的に変異を加え、変異VP4遺伝子を導入した感染性ロタウイルスを作成した。変異VP4遺伝子は2種類で、1つは、VP4遺伝子からPstI切断配列を除去したもの(pT7/VP4(SA11-L2)-ΔPstI)、1つは、VP4遺伝子からHaeII切断配列を除去したもの(pT7/VP4(SA11-L2)-ΔHaeII)である。これら、変異VP4遺伝子を導入した感染性ロタウイルスの作出は、抽出RNAの制限酵素での切断パターンにより確認した。こうして、我々は、世界で初めて、ロタウイルスのリバースジェネテックスの系の開発に成功した今後、変異VP7遺伝子、変異NSP1遺伝子を導入した感染性ロタウイルスの作出を、さらには、プラスミドDNAのみによる感染性ロタウイルスの作出をめざしたい。
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