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2002 年度 実績報告書

ウイルス排除メカニズムの解明及びその制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14370106
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

小原 道法  財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10250218)

研究分担者 米川 博通  財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (30142110)
キーワードC型肝炎ウイルス / HCV / インターフェロン / IRF-3
研究概要

C型肝炎ウイルスは約9.6kbの一本鎖RNAウイルスで、肝臓に持続感染して慢性肝炎、肝硬変を引き起こし肝細胞癌の原因となることが知られている。HCVは複製中間体として2本鎖RNAを作ることにより、生体の防御システムであるインターフェロン系を誘導するはずであるが、IFN系により排除されずに持続感染する。このIFN系などの細胞内免疫から逃避する機構を解明するために、我々はHCVの全長遺伝子がコンディショナルに発現し、かつ細胞内でウイルスが複製しうる系を作成して、HCVの発現がインターフェロンシグナル伝達系に与える影響を経時的に検討した。特に、複製中間体である2本鎖RNAにより活性化されるIRF-3とHCVの関係について解析した。
HCVの全長遺伝子を発現させると一過性にIFN-βが誘導されるが、約1週間で発現前のレベルに低下した。IFN-βの発現に関係する転写因子のIRF-3やIRF-7の挙動について検討したところ、両者ともに一過性の誘導後約一週間で発現前のレベルまで低下した。さらにIRF-3の活性型である2量体形成を検討したところ、HCVの発現によるIRF-3の2量体形成誘導はNDV感染時に比較して微弱であることが示された。また、HCVの発現によってIRF-3の細胞質から核内への移行が阻害されていることが明らかとなった。
HCVは複製中間体である2本鎖RNAによって引き起こされる、もっとも初期の反応であるIRF-3の活性化を抑制している可能性が示された。今後は、この抑制機序について解析を進めていく。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Tanaka, T.: "Virological significance of low level hepatitis B virus infection in patients with hepatitis C liver disease"J. Med. Virol.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Arima, S.: "Impaired function of antigen-presenting dendritic cells in patients with chronic hepatitis B : Localization of HBV DNA and HBV RNA in blood DC by in situ hybridization"International J. Mol. Med.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Takaku, S.: "Induction of hepatic injury by HCV structural protein-specific CD8^+ class I MHC molecule-restricted murine CTLs in transgenic mice expressing the HCV structural genes"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 301(2). 330-337 (2003)

  • [文献書誌] Yoshida, T.: "Activation of STAT3 by the hepatitis C virus core protein leads to cellular transformation"J. Exp. Med.. 196. 641-653 (2002)

  • [文献書誌] Mizukawa, Y.: "Direct evidence for IFN-g production by effector memory CD8^+ T cells residing at an effector site of pathology in fixed drug eruption : A model for epidermal injury mediated by skin resident T cells"J. Amer. Patho.. 161. 1337-1347 (2002)

  • [文献書誌] Kashiwagi, T.: "Promoter/origin structure of the complementary strand of hepatitis C virus genome"J. Biol. Chem.. 277. 28700-28705 (2002)

  • [文献書誌] 小原 道法: "肝炎ウイルス感染モデル.ヒト型モデル動物"シュプリンガー・フェアラーク. 46-52 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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