研究概要 |
我々は胸腺にはCD4を発現するマクロファージが存在しており、アポトーシスを起こした胸腺細胞を極めて効率良く貪食することを見いだしており、このCD4陽性のマクロファージがT細胞分化の過程で排除されたT細胞を素早く処理するプロフェッショナルなスカベンジャーであると考えている。この細胞が未分化胸腺前駆細胞から発生することをin vitroの培養系にて示した。すなわち、胸腺上皮細胞と未分化胸腺前駆細胞(FcR+, CD25-, CD44+)とを共培養するとIL-7依存的にCD4陽性マクロファージが出現し、強い貪食能を示した。一方、胸腺上皮細胞の培養上清を未分化胸腺細胞に加えると、樹状細胞が出現した。この樹状細胞はMLRにて強い抗原提示能を示した。さらに、この培養系に用いた胸腺上皮細胞株ではIL-3, IL-4, TNFa, GM-CSF, Flt3Lなどの樹状細胞を誘導することが知られているサイトカインの発現は認められないことから新たな樹状細胞誘導因子の存在が示唆された。
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