(1)TNFによる細胞死を抑制する新たな転写因子BSACを見出した。また、TNF受容体下流のTRAFを介したNF-κBの活性化は、JNKの長期活性化を引き起こすROSの集積を抑制することにより細胞死を阻害することを示した。(2)FasLが大量の抗原投与やトリパノソーマ感染に伴う免疫抑制に関わることを示した。また、FasLが腸炎や肺炎の発症に関わることを示した。さらに、サルのFasLを同定し、その測定系を樹立した。(3)TRAILが腫瘍の発生や転移に対する免疫監視機構の重要なエフェクター分子であるとともに、骨髄移植後のGVT効果も担うことを示した。また、NF-κB活性化の阻害が腫瘍のTRAIL感受性亢進に重要であることを示した。さらに、TRAILが未熟樹状細胞やプラズマ細胞にアポトーシスを誘導して免疫抑制的に働くことを見出した。(4)細胞死誘導性のマウスTRAIL受容体に対する抗体が、TRAIL感受性腫瘍の一時的な退縮のみならず、Fc部位を介した宿主抗原提示細胞の動員により、腫瘍特異的なT細胞応答を惹起することを見出した。(5)新規TNF受容体ファミリー分子Fn14がTWEAKによる細胞死を媒介することを示した。また、TWEAK/Fn14に内皮細胞や上皮細胞を活性化する起炎性作用があることを示した。さらに、マウスのTWEAK/Fn14に対する抗体を作製し、その発現と機能を明らかにした。(6)腫瘍細胞上のCD70によるCD27を介したNK細胞の活性化は、IFN-γ産生を介して腫瘍特異的なT細胞応答を惹起することを示した。また、活性化樹状細胞に発現するCD70がCD4T細胞非依存性のCD8T細胞活性化に重要であることを示した。さらに、CD70がCD28非依存性のCD8T細胞による同種移植心拒絶に関わることを示した。(7)OX40Lが同種移植片の拒絶に関わることを示した。また、OX40LがGVHDや腸炎の発症に関わることを示した。さらに、OX40Lが喘息の発症に関わることを示した。(8)マウス4-1BBLに対する抗体を作製し、その発現と樹状細胞における機能を明らかにした。また、4-1BBLが同種移植心の拒絶に関わることを示した。(9)CD30LがCD4T細胞によるGVHDの発症に関わることを示した。また、CD30LがM.avium感染に対する抵抗性に重要であることを示した。(10)マウスTRANCE/RANKに対する抗体を作製し、その発現と機能を明らかにした。また、TRANCE発現ベクターの強いアジュバント活性を見出した。
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