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2003 年度 実績報告書

消化器における炎症後の分化異常とがん化の分子疫学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 14370119
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

湯浅 保仁  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80111558)

研究分担者 秋山 好光  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
キーワード胃がん / ホメオプロテイン / CDX2 / メチル化 / 生活習慣 / 転写調節 / PDX1 / SOX2
研究概要

1.胃がんにおけるホメオプロテインCDX2遺伝子のメチル化と生活習慣要因との関連
消化管がんの発生リスクを明らかにするため、CDX1/2の発現を免疫組織染色で解析した結果、腸上皮化生ではともに高かった。胃がんでは、ともに発現がさがった。次に、CDX2の発現が、腸上皮化生より胃がんで低い理由としてメチル化によるのか否かを調べた。胃がん73例中21例(28.8%)でメチル化を検出した。メチル化と生活習慣要因などとの関連を検討した結果、緑茶や十字科野菜を高頻度に摂取している患者では、メチル化の頻度が低かった。逆に一回の食事量が多い患者では、メチル化の頻度が高かった。この結果は、従来胃がんの発生リスクに関連すると考えられている生活習慣要因が、メチル化に直接関与する可能性を示唆した。
2.CDX2の転写調節能力の解析
腸上皮化生誘導におけるCDX2の役割を明らかにするため、細胞周期を調節するp21と腸特異的粘液であるMUC2に対するCDX2の転写活性化能を調べた。レポーターアッセイなどで、CDX2はp21とMUC2の発現を上昇させた。この結果、CDX2はp21活性化により細胞周期を止め、さらに腸特異的タンパク質を発現させることにより、腸への分化を誘導する可能性が示された。
3.ホメオプロテインPDX1の胃病変における発現解析
胃がんに関与する新たな転写因子を探すため、胃幽門部などで発現しているPDX1の発現を解析した。免疫組織染色を行ったところ、PDX1は幽門腺、偽幽門腺で発現が見られた。胃がんでは高分化型および早期胃がんで、より高かった。従って、PDX1は偽幽門腺と高分化型のがん化に関与している可能性がある。
4.転写因子SOX2の胃における発現解析
SOX2の発現を、免疫組織染色で解析した。胃がんでは、腸型にくらべて胃型でSOX2の発現がより高かった。従って、SOX2は胃の分化・がん化に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yuasa Y, et al.: "Control of gut differentiation and intestinal type gastric carcinogenesis."Nature Rev.Cancer. 3. 592-600 (2003)

  • [文献書誌] Bai Y-Q, et al.: "CDX2, a homeobox transcription factor, up-regulates transcription of the p21/WAF1/CIP1 gene."Oncogene. 22. 7942-7949 (2003)

  • [文献書誌] Miyake S, et al.: "A novel EID-1 family member, EID-2, associates with histone deacetylases and inhibits muscle differentiation."J.Biol.Chem.. 278. 17060-17065 (2003)

  • [文献書誌] Yamamoto H, et al.: "Homeodomain protein CDX2 regulates goblet-specific MUC2 gene expression."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 300. 813-818 (2003)

  • [文献書誌] Akiyama Y, et al.: "GATA-4 and GATA-5 transcription factor genes and potential downstream anti-tumor target genes are epigenetically silenced in colorectal and gastric cancer."Mol.Cell.Biol.. 23. 8429-8439 (2003)

  • [文献書誌] Sakai H, et al.: "PDX1 homeobox protein expression in pseudopyloric glands and gastric carcinomas."Gut. in press. (2004)

  • [文献書誌] 湯浅 保仁: "分子予防環境医学"羊土社. 768 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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