研究課題
ラット虚血心又虚血再緩流後の心筋梗塞病変を用いて未知のペルオキシダーゼ活性を有する蛋白を検索した。その結果、冠動脈を中心として、チロシンニトロ化能を有するペルオキシダーゼの存在が確認され、その細胞がミエロペルオキシダーゼ染色局在とほぼ同一であることが判明した。しかしながら、固定標本、凍結切片上ではニトロチロシンの局在は、壊死心筋にみとめられ、冠動脈には認められなかった。一酸化窒素(NO)を産生する酵素であるNOSのうち、壊死部周辺の心筋細胞、血管内皮細胞にそれぞれiNOS,eNOSの増強を認めた。また、蛋白変性剤を用いない二次元電気泳動後のニトロ化によるウエスタンブロット法を用いた新しい蛋白分離同定法を確立し、ペルオキシダーゼ活性により亜硝酸(NO_2^-)を二酸化窒素(NO_2)に酸化する蛋白質としてヘモグロビンとミオグロビンを同定した。しかしながら、自然のヘモグロビン及びミオグロビンのチロシンニトロ化作用に必要なH_2O_2、NO_2^-はmM濃度であり、ヘモグロビンの分子変化の関与は不明である。そこで、ヘモグロビンやミオグロビンを除去し、ペルオキシダーゼ作用のある蛋白質を検討した結果、アポトーシスに関係しているチトクロームCの蛋白質分解酵素によるペプチドがミクロペルオキシダーゼの発現が示唆され、心筋梗塞でそのようなチロシンをニトロ化するミクロペルオキシダーゼの存在を検討している。
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