研究課題/領域番号 |
14370122
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
森本 一成 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助教授 (00127169)
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研究分担者 |
西山 勝夫 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60077691)
佐藤 哲也 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (20252546)
黒川 隆夫 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 教授 (00029539)
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20293821)
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (90236175)
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キーワード | 手話アニメーション / 手話通訳者 / 聴覚障害者 / 頚肩腕障害 / 手話文法 / 受療拒否 |
研究概要 |
1.手話通訳者の手指・身ぶり動作の運動計測とそれのアニメーションへの応用 手話アニメーションにおける自然な動作を実現するために、手話通訳者の手指・身ぶり動作を3次元計測した。手話通訳者に行わせた、胃のレントゲン検査に用いられる対話の中から選んだ27文とした。動作解析の結果、手話通訳者の手指動作の速度波形は運動開始から終了にかけて非常に滑らかであり、手話単語と手話単語の切れ目で速度がゼロになることもなかったことがわかった。こららはこれまで筆者らが構築したシステムに用いてきた手話アニメーションの動作と大きく異なる点であった。 2.手話文法の解析と手話辞書の構成とそれに基づくアニメーション作成のためのデータ構造の提案 NHK手話ニュースの画像を解析した。日本語手話翻訳のための言語変換と語形変化についての規則性を見い出し、それをシステムに取込んだ。これにより、日本語を入力すれば、手話アニメーションが表示されるようになった。これは従来のものよりもより自然な動きを実現している。 3.手話通訳者の生理的負担と聴覚障害者の心理的負担の計測と評価ならびに聴覚障害者の医療拒否の現状調査・解析 聴覚障害者の受療における手話通訳を介したコミュニケーション問題を明らかにすることを目的として、全国手話通訳問題研究集会に参加した手話通訳者に調査票を直接配布し、医師および聴覚障害者に対する不満等について評価させた。さらに、滋賀医大卒業の医師を対象に調査票を配布し、聴覚障害者の診察時の配慮等について評価させた。その結果、手話通訳者は聴覚障害者に対してよりも医師に対する不満が大きく、特に、もっとわかりやすく話してほしい、手話や聴覚障害者に対する理解が足りないという声が多かった。一方、医師からは、聴覚障害者の診察時ではゆっくり話すあるいはわかりやすく説明するという声が多く、前述の手話通訳者対象の調査結果および過去に実施した聴覚障害者対象の調査結果と乖離していた。
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