研究課題/領域番号 |
14370124
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
奥田 昌之 山口大学, 医学部, 助教授 (50274171)
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研究分担者 |
杉山 真一 山口大学, 医学部, 助手 (50335725)
國次 一朗 山口大学, 医学部, 助手 (80314798)
芳原 達也 山口大学, 医学部, 教授 (10116501)
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キーワード | コメットアッセイ / ラット / 精巣 / DNA損傷 / ブロモプロパン / トリクロロエチレン / 8-OHdG / アポトーシス |
研究概要 |
本年度の研究は、ブロモプロパンによる精原細胞DNA障害が、ブロモプロパン特有のものであるのかを検討するために、職場でブロモプロパンのように金属洗浄に用いるトリクロロエチレンに投与による損傷を検討した。また、ブロモプロパンによる精原細胞DNA損傷は、アポトーシスによるのか、アポトーシス以外の損傷であるかを検討した。 前者の検討のために、生後14日のラット取りだした精巣から分散した初代培養精原細胞にブロモプロパンとトリクロロエチレンを暴露し、コメットアッセイ(single gel electrophoresis)を行った。トリクロロエチレンでは、ブロモプロパンのようなDNA損傷は観察できなかった。物質によって、結果が違うことは、この手法を毒性評価のスクリーニング手法として用いることができると考える。 後者の検討のために、生後5、12日のラットに連続5日間ブロモプロパンを皮下投与し、取りだした精巣のDNAの損傷を8-OHdG(hydroxy-deoxy-guanodine)のELISA定量とラダー形成で測定した。ブロモプロパンの暴露により、DNAの8-OHdGは増加していた。対象としたオリーブ油では8-OHdGの増加はなかった。また、ラダー形成はほとんどなかった。 今回の結果では、ブロモプロパンによる精巣障害は、アポトーシスよりも何らかの経路でDNAに酸化的ストレスを生じさせるものと考える。コメットアッセイでは、生じるテールの形状がアポトーシスでおこるのではないかと考えられるような扇状の形状をしいることもあり、今後アポトーシスを生じることがあきらかな物質との比較が必要である。
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