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2003 年度 実績報告書

磁界測定を用いた細胞・器官レベルでの化学物質有害性評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14370127
研究機関北里大学

研究代表者

相澤 好治  北里大学, 医学部, 教授 (10124926)

研究分担者 工藤 雄一朗  北里大学, 医学部, 助手 (60348505)
新津谷 真人  北里大学, 医学部, 講師 (10245417)
佐藤 敏彦  北里大学, 医学部, 助教授 (10225972)
小谷 誠  東京電機大学, 工学部, 教授 (60057205)
川上 倫  北里大学, 医学部, 教授 (60177649)
キーワードロックウール / クリソタイル / 肺胞マクロファージ / 細胞傷害性 / 細胞磁界測定 / 乳酸脱水素酵素 / アポトーシス / Micro glass fiber
研究概要

【緒言】人造鉱物繊維の一種であるロックウール(RW)は、石綿代替物質として断熱・保温・不燃・増強などの建築材料として使われている。しかし、このRWについての研究報告数が少ないために、呼吸器に対する安全性は未だ明らかとは言えない状況にある。昨年度の本研究では、RWが肺胞マクロファージ(AM)に及ぼす影響について、石綿の代表物質であり、傷害性が報告されているクリソタイルファイバー(CF)と比較検討を行い、CFに比較して、細胞傷害性が低い事が示唆された。今年度はRWと同じ人造鉱物繊維の一種であるMicro glass fiber (MG)について、安全性を検討した。
【材料調整】オスのフィッシャー系ラットに気管支肺胞洗浄を行い、得られたAMは培養液で調製後、緩和の指標となる四三酸化鉄を添加し、さらに実験群にはMGの最終濃度が40,80,160,320μg/mlとCFの最終濃度が40μg/mlとなるように調製するとともに、陰性対照群には燐酸緩衝液(PBS)を加え、炭酸ガス培養器にて37℃で18時間培養した。
【分析方法】細胞磁界測定では、培養後、各群のAMを外部より磁化し、磁化後20分間の残留磁界を測定した。細胞外逸脱酵素測定では、細胞磁界測定で使用した培養液を採取し、その中に含まれる乳酸脱水素酵素の活性値(LDH)を測定した。DNA ladder検出法では、培養後、各群のAMよりDNAを抽出しアポトーシスの有無を検討した。さらに、電子顕微鏡による形態学的観察と、細胞磁界測定の裏付けとして細胞骨格を観察するため蛍光抗体法を行った。
【結果および考察】細胞磁界測定により、PBS添加群では細胞傷害性を示す緩和は迅速に認められたが、CF添加群では遅延した。MG添加群で緩和は認められたがPBS群より迅速ではなく濃度により影響の大きさに相違があった。LDH測定の結果についてもCF添加群は影響が認められPBS添加群では影響は認められなかった。MG添加群では量影響関係が認められた。蛍光抗体法も同様な結果であった。しかし、DNA ladder検出法およびアポトーシスについては、全ての群において影響は認められなかった。電子顕微鏡観察では、CF添加群に細胞の変形が認められたが、MG添加群では軽度であった。以上の事から、MGはCFに比較して、細胞傷害性は低い事が示唆された。今後は、最終濃度の詳細な検討が必要であると考える。また、新たに培養細胞を使用した実験法の構築を行い、さらに、その他の人造鉱物繊維についての安全性の検討、およびin vivo実験(鼻部曝露吸入実験)による各繊維の安全性の検討も併せて行うことが必要であると考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Mitsuyasu Watanabe: "DIFFERENCES IN THE EFFECTS OF FIBROUS AND PARTICULATE TITANIUM DIOXIDE ON ALVEOLAR MACROPHAGES OF FISCHIER 344 RATS"Journal of Toxicology and Environmental Health. Part A, 65. 1047-1060 (2002)

  • [文献書誌] Mitsuyasu Watanabe: "Magnetometric Evaluation for Cytotoxicity of Potassium Octatitanate Whisker on Alveolar Macrophages of Fischer 344 Rats"J Occup Health. 44. 321-328 (2002)

  • [文献書誌] Mitsushi Okada: "In vitro toxicity of indium arsenide to alveolar macrophages evaluated by magnetometry, cytochemistry and morphological analysis"Toxicology Letters. 134. 185-194 (2002)

  • [文献書誌] Yuichiro Kudo: "COMPARATIVE CYTOTOXICITY STUDY OF ROCK WOOL AND CHRYSOTILE BY CELL MAGNETOMETRIC EVALUATION"Inhalation Toxicorogy. 15. 1275-1295 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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