研究課題/領域番号 |
14370130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
宮田 秀明 摂南大学, 薬学部, 教授 (80167676)
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研究分担者 |
中尾 晃幸 摂南大学, 薬学部, 助手 (20288971)
青笹 治 摂南大学, 薬学部, 助手 (20248066)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 母乳 / 食事 / ダイオキシン類 / POPs / 残留性有汚染物 / 汚染源 / PCBs / 血液 |
研究概要 |
研究代表者らは、既に、「母乳中のダイオキシン類濃度が、主として、体内の蓄積濃度ではなく、毎日摂取する食事中の汚染濃度を反映したものである」という極めて貴重な新知見を発見した。従って、本研究ではダイオキシン類を含めた残留性有機汚染物質(POPs)に対象物質の範囲を広げて、この新知見の実証を試みた。 本年度は、大阪在住の産褥約1ヶ月後の出産者から食事、母乳および血液試料を入手するとともに、POPsであるダイオキシン類、PCB、DDT類、HCH類、クロルデンについて簡易高精度分析法を開発した。 各試料の採取時期は、母乳中POPs汚染濃度に占める食事経由の寄与率が正確に把握できるように設定した。まず、食事試料は、午前、午後および夜間の時間帯に分けて、陰膳試料を連続3日間にわたって入手した。また、哺乳前後の体重の差を算出し、これを乳児の哺乳量とした。次に、母乳試料は、20〜30mlを3時間毎に1日に9回、連続4日間採取した。一方、血液試料は、体内蓄積濃度の把握を目的として、空腹時に30〜50mlを採取した。 今回の試料は全部で204検体もの多数になるため、アイソトープ希釈法を併用した高精度簡易分析法を開発した。ダイオキシン類を除くPOPs分析法の概要は次の通りである。10%酢酸エチル・トルエン還流抽出→GPCクロマトグラフィによる精製→活性化シリカゲルクロマトグラフィによる精製→高分解能ガスクロマトグラフ・高分解能質量分析計による定量。一方、血液中ダイオキシン類分析法の概要は、「血液中の脂肪抽出→ミクロ硝酸銀・シリカゲルカラムクロマトグラフィによる精製→ミクロ活性炭カラムクロマトグラフィによる精製→高分解能ガスクロマトグラフ・高分解能質量分析計による定量」であり、公定法に較べて分析時間が1/10に短縮でき、しかも分析精度もはるかに向上した。現在、これらの分析法を用いて各種試料を分析している段階である。
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