研究概要 |
30歳以上の全国女性看護師を対象に,ベースライン調査の参加者募集を2001年11月に開始し,2002年6月までに39,371名から回答を得た。このベースライン調査対象者の特性や生活習慣の特徴を分析した。看護資格では,83%が看護師,11%が準看護師,5%が助産師,1%が保健師であり,全体の96%が病院に勤務していた。喫煙歴では,72%が喫煙経験なし,過去喫煙者11%,現喫煙者18%であり,全国一般女性の喫煙率11.5%(国民栄養調査,2000年)とくらべて,高い喫煙率を示した。年齢階級別の喫煙率は,50歳代の12%や60歳以上での8%に対して,30歳代で18%,40歳代で19%と高いものであった。また,飲酒習慣についても,「飲酒しない」と答えた者の割合は30歳代で29%,40歳代で36%,50歳代で41%,60歳代で53%と,年齢が高くなるにつれ飲酒習慣のない女性が多くなっていた。このように,生活習慣は同じ女性看護職であっても年代で大きく異なっていた。閉経前後での,生活習慣,またホルモン補充療法やビタミン補助剤などの保健医療習慣の変化について詳細を分析中である。 第一次ベースライン調査参加者のうち,住所および氏名を記入し以降の追跡調査に書面にて同意した8,440名を対象に,調査結果の概要などを記載した調査開始後1年目ニュースレターを送付した。転居先不明,宛所尋ねあたらずなど郵便局から研究事務局へ返送されたものは34例(0.4%)と極めて少数で,当コホート研究における郵送法での追跡観察の実施可能性が確認された。また,この34例についても,郵送法以外の方法によって追跡確認を実施中である。また,全国に2年先行して開始した群馬パイロット・コホート研究においては3年目追跡調査として,疾病発生調査を現在実施している。
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