心理社会的要因からみた健康格差の疫学的研究―地域・職域からの複眼的アプローチ―

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14370135
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 富山医科薬科大学
• 研究代表者: 鏡森 定信 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20019615)
• 研究分担者: 中谷 芳美 浜松医科大学, 医学部, 講師 (90217753) ; 森河 裕子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20210156) ; 松原 勇 石川県立看護大学, 教授 (70173862) ; 土井 由利子 国立保健医療科学院, 疫学部, 室長(研究職) (70280758) ; 関根 道和 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (30303225)
• キーワード: Psychosocial Factor / WHO-QOL / Demand-Control Model / Effort-Reword Model / Sence of Coherence / SF-36 / Cohort Study

研究概要

初年度は本研究の調査対象集団において、研究課題を達成すべくベースラインデータを収集した。地域集団では、40歳以上の地域住民約6000人を対象に実施した。職域集団では、地方自治体の行政職(A群約6000人、B群約2000人)を対象に実施した。地域集団での調査内容のうち、本研究課題の中心となる心理社会的要因としては、WHOのQOL(身体的領域、精神的領域、社会的領域、環境的領域)と社会参加および社会的支援などについて調査し、それと健康度(受療状況、健康行動)との関連をCoss-Sectionalに分析した。
職域集団での調査内容のうち、本研究課題の中心となる心理社会的要因としては、WHOのQOL、SF-36、Demand-Control(カラセックモデル)、Effort-Reward(シゲリストモデル)、首尾一貫感覚(Sence of Cohernce)、職階級などについて調査し、それと健康度(自覚症状、受療状況、睡眠の質、病欠)との関連をCross-Secctionalに分析した。
地域住民ではWHOのQOLの各領域が社会参加や社会的支援と関連しており、また、これらの心理社会的な要因は健康度指標とも関連していた。職域集団では、WHO・QOL、SF-36、Demand-Control、Effort-Rewardおよび職階級などの心理社会的要因が相互に関連しながら、これらのいずれもが健康度とも関連していた。

研究成果

• [文献書誌] Nasermoaddeli A, Sekine M, Hamanishi S, Kagamimori S.: "Job strain does not relate to morning level vanilmandelic acid in Japanese civil servants"J Epidemiol. 12. 324-329 (2002)
• [文献書誌] Nasermoaddeli A., Sekine M., Hamanishi S., Kagamimori S.: "Job strain and sleep quality in Japanese civil servants with special reference to sense of coherence"J Occup Health. 44. 337-342 (2002)
• [文献書誌] Doi Y, Minowa M, Fujita T.: "Excessive daytime sleepiness its associated factors among male non-shift white-workers"J Occupational Health. 44. 145-150 (2002)
• [文献書誌] Doi Y, Minowa M.: "Gender differences in excessive daytime sleepiness among Japanese workers"J Occupational Health. 56. 883-864 (2003)