研究概要 |
当初の研究計画に従い、 1 今年度は3年目であるため、初年度、次年度のデータ収集に引き続いて、3年目の追跡データの収集に努めた。これまでのところ、男性17,953名からデータを取得した。このうち、初年度(baseline data:男性22,128名)と同一者は14,507名であった。これらのデータを昨年までのデータベースに追加、修正しつつある。収集データは、これまでと同様に、問診票、検査成績からインスリン抵抗性症候群の評価に必要な指標(現病・既往歴、血圧、血糖値、血清中性脂肪、血清HDL-コレステロール)やその交絡因子と考えられる指標(年齢、身体特性、生活習慣、血液検査値など)、および、調査研究の主目的のための職業関連因子(職種、勤務時間、週休数、交替勤務など)である。 2 初年度に健診受診者の過去データを用いて実施した、糖尿病=空腹時高血糖(126mg/dl以上)の新規発症に関する12年間の追跡研究結果から、肥満度(BMI)は非肥満領域(25kg/m^2未満)であってもその増加は糖尿病発症の危険因子であることを示した。この結果は第75回日本衛生学会で報告し、Diabetic Medicine誌に掲載予定である。また、事務系の職種別糖尿病発症率の観察から、営業・販売職従事者が他の職種(技術・専門職、一般事務職、管理職)に比し、糖尿病発症率の高いことを示した。この結果は第78回日本産業衛生学会で報告の予定である。 付 この研究は名古屋市立大学の倫理委員会の承認を得ております。また、データ収集にあたっては当該医療機関の協力を得ながら、健診受診者のプライバシーに充分配慮し、データ処理では匿名化を行い、個人を特定できる情報は何ら使用しておりません。
|