研究課題/領域番号 |
14370142
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
井谷 徹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00072661)
|
研究分担者 |
城 憲秀 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10137119)
武山 英麿 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50347407)
村田 健三郎 龍谷大学, 文学部, 教授 (90166281)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | 夜間仮眠 / 取得時間 / 取得時刻 / パフォーマンス / 生理機能 |
研究概要 |
本研究では、効果的な仮眠の取得法を明らかにするため、仮眠の長さと取得のタイミングに注目して、実験的に様々なパターンの仮眠挿入を行い、その効果について生理機能、主観的疲労感、作業パフォーマンスなどから検討した。実験Iとして被検者12名を採用対象にした。夜勤作業を22:00〜8:00とし、仮眠取得条件は、0:00から60分(E60)、120分(E120)、4:00から60分(L60)、120分(L120)の4条件、仮眠を取らない条件(N-Nap)を含め、計5条件を設定した。被検者は、主観的疲労感、フリッカー閾値、選択反応時間テスト、論理課題テスト、ヴィジランスタスクなどのパフォーマンステストなどの各検査を1時間1セットとして、くり返し実施した。実験IIでは、被検者9名を対象にした。夜勤作業を22:00〜10:00とし、仮眠取得条件は、0:00から60分(E60)、2:00から60分(M60)、4:00から60分(L60)の3条件、仮眠を取らない条件(N-Nap)を含め、計4条件を設定した。各検査項目は、実験Iと同様とした。 本研究から、0時に取得する120分の仮眠は、その他の仮眠条件と比べ、その後のパフォーマンス低下抑制効果が高く、また、60分の仮眠に比べ、徐波睡眠が長く、睡眠効率が高いことなど、質の高い睡眠を確保できるため、夜勤前半に取得する120分がもっとも効果的な仮眠取得方法であると考えられた。しかし、実際の労働現場では、120分のような長時間の仮眠を取得することは困難な場合が多く、短い時間でより効果的な仮眠を取得する方法が重要となる。実験IIにおける60分仮眠の取得時刻の違いによる検討では、睡眠の質からみると、夜勤時間の中間である2時に取得することが、より効果的な仮眠を得ることができることが示唆されたが、パフォーマンス指標では、3条件で統計学的に有意性はみられなかった。しかし、夜勤前半の0時からの60分仮眠後パフォーマンス指標が夜勤中間、後半に比べ成績がよい傾向を示したこと、実験Iでみられたような夜勤後半4時からの60分仮眠で、仮眠取得後一過性のパフォーマンス低下が、顕著にみられたことなどから、60分仮眠を取得する場合でも、夜勤前半に取得することが効果的であり、夜勤後半での取得する場合は、その後の睡眠慣性によるパフォーマンス低下を十分考慮する必要が示唆された。
|