研究概要 |
大阪府内にある一健診機関における1999年1月から2002年6月までの50-69歳の脳ドック受診者のうち男性572人について、脳ドック所見の見直しを行った。ラクナを含む脳梗塞保有者は30人(5.2%)、白質病変保有者は114人(19.9%)であった。したがって、このような集団を対象にすることによって、これらの動脈硬化症を含む背景要因について検討することが可能とわかった。 そこで、京都府内の一健診機関における50歳以上の人間ドック友の会会員約1,000人を対象に、2003年2月より通常の人間ドック検査に追加して脳ドック検査(MRI、MRA)と血液検査(血漿ホモシステイン値、血漿フィブリノーゲン値、血清ヘリコバクタ・ピロリ菌抗体価、血清クラミジア・ニューモニエ抗体価や血清中の抗酸化物質であるビタミンC値、ビタミンE値、カロテノイド類(αカロテン、βカロテン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチン、ルテイン、リコペン)、葉酸、ビタミンB12)への受診の呼びかけをおこなった。2003年3月中旬までに150人が応諾した上で受診し、現在そのデータを整理中である。 また、撮像された画像を通常の脳ドックの読影とは別に放射線科医によりまとめて読影する準備を現在進めている。所見は、動脈硬化と関連する動脈の閉塞、脳萎縮、脳室拡大、海馬の萎縮、白質病変、ラクナの有無等である。今後、上記の放射線科医による読影所見とドックにおける問診や血液検査項目及び追加血液検査個目との関連を横断的な症例・対照研究の方法で解析する予定である。 なお、本研究は「京都府立医科大学における人間を対象とする医学研究審査委員会」の審査を受け、その許可を得て開始した。
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