研究課題/領域番号 |
14370144
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
廣田 良夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20080624)
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研究分担者 |
岡田 三津子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20347496)
山下 昭美 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50094496)
田中 隆 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30227144)
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キーワード | インフルエンザ / 予防接種 / ワクチン / 乳幼児 / 抗体応答 / 赤血球凝集抑制抗体価 |
研究概要 |
平成14年度(平成14〜15年インフルエンザシーズン)は、ワクチンに対する抗体応答の検討を中心とし、併せて発病調査を行っている。 対象は小児科診療所の受診患児、および乳児院の入所児である。保護者の同意を得た上で、非接種者では流行前・流行後の2回、ワクチン接種者では、接種時・1回目および2回目の接種2〜4週後・流行後の4回採血し、赤血球凝集抑制抗体価(HI価)を測定することとしている。最終的に受診患児40人、入所児30人程度から、ペアまたはクウォドラプレット血清を採取できる見通しである。現在まだインフルエンザ流行が終息しておらず、発病調査を継続中である。また流行後の採血を待って、HI価をまとめて測定する予定である。なお本研究に関しては、大阪市立大学大学院医学研究科に設置された倫理委員会の承認を得た。 別途、保存血清(平成11〜12年シーズンに採血)についてHI価を測定し、ワクチンに対する抗体応答を検討した。 ワクチン株A/シドニー(H3N2)に対して4倍以上の抗体上昇を示したものは、1回接種後では8ヶ月未満児で0であったが、2回接種後では8ヶ月未満児40%、8-19ヶ月児80%、20ヶ月以上児95%と、良好な抗体応答を示した。乳児でも2回接種により抗体応答は良好であった。 ワクチン株A/北京(H1N1)に対して4倍以上の抗体上昇を示したものは、2回接種後で、8ヶ月未満児29%、8-19ヶ月児47%、20ヶ月以上児63%に留まった。ワクチン株B/山東に対して4倍以上の抗体上昇を示したものは、20ヶ月以上児の16%のみであった。 これら抗体応答には、月齢に加え、ワクチン接種歴や接種前抗体価も影響することが示唆された。
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