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2003 年度 実績報告書

入浴中急死の病態:高体温による循環不全の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14370146
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

堀 進悟  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)

研究分担者 宮武 諭  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306812)
富田 豊  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50112694)
相川 直樹  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
キーワード入浴 / 急死 / 高体温 / 熱中症 / サイトカイン / ショック / 循環不全
研究概要

1.小動物による入浴負荷実験系の改善
昨年度に確立した実験系に以下の改善をくわえた。
(1)Wisterラット(SPF)(正常体温38℃)の体温(core temperature)測定部位に食道を選択し、細径温度センサー(YSIサーミスタ温度プローブN454)を食道に留置する方法を採用した。
(2)体温上昇に伴う循環不全の発症と呼吸変動が連動する可能性があることから、小動物・呼吸センサー(スキノス製空気動圧ユニットKM-2100)を用いて実験中の呼吸数変動をモニタリングできるようにした。
2.血液生化学的検討
入浴前と入浴中のラットの動脈血液ガスの動態を血液分析器i-STAT300F(FUSO)、Lactate Pro(ARKRAY)を用いて測定した。その結果、41〜45℃での入浴時にはPaCO2の低下により代謝性アシドーシス(pH、BEの低下、乳酸の上昇)と呼吸性アルカローシスが発生することが明らかとなった。乳酸値上昇は血圧低下時に認められたが、血圧低下を伴わずに軽度の乳酸値上昇も認められた。実験中に血糖は上昇、Hct、Hgbには変化を認めなかった。
3.温度負荷の生存実験
40℃から45℃の入浴負荷により頻呼吸、頻脈が認められた。41℃では100〜120分でショックのために心肺停止にいたった。一方40℃では50分の負荷でラットは麻酔から覚醒し、体動を開始した。以上より、ラットの入浴負荷生存実験による臨界温度は41℃であることが判明した。さらに、41〜45℃いずれの負荷時も、体温42℃で血圧は最大値を示し、その後は体温上昇にともない血圧が低下することが明らかとなった。
4.加温中止実験
41℃加温、体温41℃では加温中止によりラットは生存するが、43℃加温、体温43℃ではショックとなり死亡した。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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