研究分担者 |
吉田 祐子 東京都老人総合研究所, 地域保健研究グループ, 研究員 (30321871)
藤原 佳典 東京都老人総合研究所, 地域保健研究グループ, 研究員 (50332367)
熊谷 修 東京都老人総合研究所, 地域保健研究グループ, 研究助手 (80260305)
天野 秀紀 東京都老人総合研究所, 地域保健研究グループ, 研究助手 (90260306)
|
研究概要 |
1.縦断研究による高齢者の寝たきりとなる過程の解明 1)既存データの分析 秋田県N村に住む65歳以上の地域在宅高齢者を対象とした縦断研究のデータをもちいて,1992年のベースライン調査時に基本的ADL(BADL)および手段的ADL(IADL)の両者とも自立していた高齢者601名を6年間追跡し,BADLあるいはIADL障害の発生に関わる要因をCoxの比例ハザードモデルを用いて解析した.BADLの障害では身体・医学的要因の関与が強かったが,IADL障害では心理・社会的要因も重要であった.両者に共通する予測因子は,年齢(高い),就労(なし),睡眠時間(8時間以上),健康度自己評価(低い),知的能動性および社会的役割(低い),歩行速度を中心とした4つの体力水準(低い),咀嚼力(低い),過去一年間の入院歴(あり),血清β_2-microglobulin(高い)であった.以上の成果は論文投稿中である. 2)平成14年度も調査を継続 N村に住む65歳以上の全高齢者1,418人(男589人,女829人)を対象とした健康調査を7月に実施した.医学的健診には1,068人(75.3%),質問紙による面接調査には1,327人(93.6%)が参加した.昨年度から本年度にかけての転帰調査も終了し,高い追跡率が確保できている. 2.老化予防をめざした学際的介入プログラムの展開と評価 高齢期の低栄養が老化を促進するとの仮説から,低栄養予防の食生活指針を作成し,1996年から当地において行政や地域組織を連携して栄養改善活動を行ってきた.平成14年度は,下肢筋力および歩行機能の向上のための事業を追加した.前者の介入研究の成果については論文投稿中である. 3.新たな研究フィールドの設定 新潟県Y町にもフィールドを開拓し、N村では不十分であった慢性疾患の新規発症の特定、認知機能や社会活動性指標を含め,高齢期の新たな健康問題(痴呆、閉じこもり、など)が研究できるようにした。ベースライン調査はすでに平成12年度に実施され高い参加率が得られていたが、平成14年10月に2年後の追跡調査を実施し,約1,500人(91.3%)から応答があった.
|