研究課題/領域番号 |
14370155
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
足立 順子 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40030887)
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研究分担者 |
主田 英之 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90335448)
浅野 水辺 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90283879)
上野 易弘 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30184956)
富田 正文 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50113197)
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キーワード | フリーラジカル / コレステロール過酸化物 / パラコート中毒 / アルコール / オキシステロール / ラット |
研究概要 |
1.パラコート中毒死と脂質過酸化 パラコートを服用後死亡した7例と年齢・性別の類似した対照7例を用いて、肝・腎・肺におけるコレステロール過酸化物(Ch-OOH)とオキシステロールの濃度を測定し、肺・腎における組織障害と酸化ストレスの関連を調べた。服用後死亡までの期間が短い症例では肺出血にとどまり、それが2週間以上となる中毒死例では肺の繊維化も見られた。中毒死例の肺ではオキシステロール(7-ketoおよび7β-OH)が有意に蓄積し、腎では7-ketoが有意に蓄積した。Ch-OOHのみならず、オキシステロールもフリーラジカルによる酸化ストレスの良き指標となることがわかった。 2.アルコール慢性投与 a.アルコール性筋障害 昨年アルコールをラットに急性投与し、足底筋(Type II fiber)がヒラメ筋(Type I fiber)よりも障害を受けやすいことがわかった。 ラットにアルコールを長期摂取させた。骨格筋中のコレステロール過酸化物(Ch-OOH)と7β-OH、7-ketoをLC-MSを用いて初めて同定した。Ch-OOH、7β-OH、7-ketoの骨格筋における濃度を測定したところ足底筋のみならずヒラメ筋で対照ラットよりも有意に上昇が見られた。この結果は通常障害が受けにくいと言われるヒラメ筋も本実験では萎縮が起こっていることが原因と考えられた。 b.アルコール性肝障害 ラットにアルコールを長期投与した場合、肝にコレステロール過酸化物のみならずオキシステロールが蓄積し、肝における脂質過酸化の亢進を示した。このことはアルコール長期投与による持続的な酸化ストレスの存在を示唆している。
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