研究概要 |
今年度の研究実施計画に従って,各研究者が剖検事例等をもとに典型的な「事件の概要」を作成し,それに従い,全血に当該薬毒物を添加して試験試料を作製した.ドライアイスで凍結した試験試科を各研究者に送付し,受領した研究者は試料の状態をチェツクし,分析(スクリーニング,確認,定量)を行った.各研究者は検査試料の状態,検出薬物,定量値および結果の解釈を含む報告書を研究代表者に送付した.試料受領までの所要時間は7時間30分〜25時間45分(福岡〜秋田)で,荷物の外観については全て問題なく,ドライアイスは残存しており,試料は凍結していた.試料量(10ml)は分析(スクリーニング,確認,定量)に十分であった.試料の状態は完全であったが,試料の輸送手段には考慮すべき問題があった. また,各研究者は第1回班会議の際に配付した,本研究に関係した欧米の参考資料を調査・研究中である. 欧米の研究室およびExternal Proficiency Testing実施機関の調査・研究については,連合王国のLGC (Laboratory of Government chemists),Dr williams, Dr Boley, Dr Woods ; Fss (Forensic science Service),Dr Bramley, Dr Wilson ; Department of Forensic Medicine & Science, Glasgow University Dr Anderson ; Dundee Police Forensic Science Laboratory, Dr Morrison, Dr lnglis, Dr BainおよびGartnavel General Hospital, Dr Knepil, Dr Borlandを訪問し,法医中毒学実務およびそのシステムの相違点について話し合い,また,欧米の参考資料の難解な点について,研究室の見学および実資料の提示により説明を受けた.この結果,諸課題を解決するための手順がかなり明らかになってきた.
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