研究課題/領域番号 |
14370159
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
服部 俊夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30172935)
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研究分担者 |
岡田 信司 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50312575)
大野 勲 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00250762)
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キーワード | gp120 / V3グループ / gp41 / fusogenic form / raft / エピトープ |
研究概要 |
A.目的 HIVが標的細胞に感染する際の二つの受容体とgp41の時空変化の詳細を明らかにした。gp120のV3ループの細胞膜結合領域をV3ループの種々のエピトープを認識する抗体で解析し、結合部位を想定した。また融合にかかわる、gp41のC領域とN領域が作るpost-fusogenic formを認識する抗体50.69を用いて、50.69抗体陽性のgp41の膜上での存在様式をraftとの関係を検討した明らかにした。 B.材料・方法 細胞結合V3ペプチドの検出:X4ウイルス由来V3 loopの結合はT細胞にとどまらず、補受容体の発現していない細胞(U87,HOS)にもみられた。しかしR5ウイルス由来V3ループの結合は非常に弱かった。さらにV3 loopの様々なエピトープを認識するモノクローナル抗体を使用し、細胞に結合したV3ペプチを検出した。V3 loopのどの領域が細胞膜に結合するかを検索した。mAb IIIB-V3-21を除くすべての抗体が細胞膜表面に結合した。ELISAプレート上のペプチドには全ての抗体が反応した。 50.69抗体陽性細胞の検出:50.69抗体陽性gp41をホルマリンで固定し、saponin処理したH9/IIIB細胞を用いて検索した。RaftsをコレラトキシンFITCで蛍光し、50.69と二重染色したところ、両者は一致した。 C.結果 HIVの感染機構の解析ために、BH-10株のgp120のV3領域の細胞膜結合部位をN端と決定した。またpost-fusogenic gp41を認識するモノクロナル抗体(50.69)陽性gp41が細胞膜上でraftと挙動をともにすることを明らかにした。これらよりHIVの感染にはgp120とgp41の立体構造とその変化を勘案しながら、より詳細な研究が必要である。特にV3ループのN端に重要な活性があることが他でも知られているのでその結合分子についても解析したい。Post-fusogenic抗体を認識するgp41を認識する抗体がraftに存在するgp41に反応することより、その意義について更なる研究が必要である。
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