研究課題
本年度我々はIL-4遺伝子内でTh2分化に伴いクロマチンレベルで構造変化が見られる領域を指標として、GFPをレポーターとしたトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。これら解析よりTh2特異的発現は、IL-4遺伝子の3'下流に位置する哺乳類間でゲノム構造がよく保存されているConserved Non-cording Sequence(CNS-2)と呼ばれる領域で制御されていることが明らかにされた。CNS-2領域によるGFPの発現はTh2細胞だけではなく記憶型T細胞、NKT細胞、肥満細胞、好塩基球においても見られ、記憶型T細胞、NKT細胞、肥満細胞、好塩基球では初期刺激において高濃度のIL-4を産生できる能力を有しており、そこにはCNS-2領域によるGFPの発現と高い相関性が認められた。また興味深いことに、この記憶型T細胞はTh1およびTh2分化環境下におくと、さらに分化しうる能力を示すことが分かった。これまでの解析から、生体においてTh2反応が誘導されるためには、ナイーブT細胞が初期抗原刺激を受ける際48時間以内にIL-4が存在する必要がある。この記憶型T細胞からのIL-4産生は、初期抗原刺激において、Th2型の免疫反応を誘導する上で重要なIL-4の源となることが明らかにされた。更にCNS-2領域によるIL-4産生制御は、CNS-2領域上流に存在する刺激したTh2特異的に現れてくるDNase I感受性領域が存在すると、Th2細胞では抑制的に制御されていた。ところが、同様の抑制制御は記憶型T細胞、NKT細胞、肥満細胞、好塩基球では見られないことから、初期抗原刺激においてIL-4産生を担う細胞群とTh2細胞では、異なる発現制御機構が働いていることが明らかとなった。
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