研究課題/領域番号 |
14370178
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
足立 幸彦 三重大学, 医学部, 教授 (50111026)
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研究分担者 |
小林 由直 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (70378298)
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キーワード | トランスポーター / 遺伝子導入 / multidrug resistance-associated protein / organic anion transporting polypeptide / Gunn rat / uridine-diphosphate glucuronosyltransferase / 遺伝子多型 |
研究概要 |
足立は、ビリルビンをグルクロン酸抱合する酵素であるbilirubine uridine-diphosphate glucuronosyltransferase(ugtlal)の欠損するGunn ratの肝細胞を用いて、その基底膜上に発現する各種有機アニオントランスポーターの発現変動を検討した。Gunn ratにおいては、有機アニオンの取り込みに関与するとされるorganic anion transporting polypeptide 1(oatp1)およびoatp2のmRNAの発現は正常ラットに比べて有意に減少していることを明らかにした。oatp1蛋白は正常ラットに比べ有意に減少していたが、oatp2蛋白の減少は統計的有意差を持つに至らなかった。これらのトランスポーターの変化とは反対に、各種有機アニオンを肝細胞から類洞血液中に逆流排泄するmultidrug resistance-associated protein 3(mrp3)の発現は、mRNA、蛋白レベルともGunn ratにおいては正常ラットに比べて明らかに増強していることを明らかにした。 また、UGTlAlの日本人における遺伝子多型について検討し、特に蛋白コード領域における遺伝子多型の頻度は欧米とは大きく異なる事を明らかにした。未報告の変異であるP364を見いだし、この変異によりUGTlAl酵素活性が正常の64.4%に低下する事を明らかにした。 小林は、ヒトMRP2の全長cDNAを組み込んだ発現ベクターを培養哺乳動物細胞に遺伝子導入することに成功し、目的とするMRP2蛋白がラット小腸上皮細胞に発現する事を確認した。またMrp2欠損ラット(Eisai hyperbilirubinuria rat ; EHBR)の肝臓に遺伝子導入を行い、血清抱合ビリルビン値の正常化を認めた。
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