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2002 年度 実績報告書

HGFによる肝幹細胞の分化増殖と再生医療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14370186
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

坪内 博仁  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60145480)

研究分担者 井戸 章雄  京都大学, 医学研究科, 助教授 (30291545)
宇都 浩文  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20347058)
キーワード肝細胞増殖因子 / oval cell分化 / 肝幹細胞 / 肝前駆細胞 / 骨髄細胞 / 分化 / 細胞増殖
研究概要

肝細胞増殖因子(HGF)は肝細胞のみならず種々の上皮細胞に対して増殖促進作用を有し、多くの組織の再生因子あるいは発育因子と考えられている。一方、肝障害時には肝細胞や胆管細胞に分化する能力を持った小型肝細胞やoval cellが出現することが報告されている。本研究ではoval cellに対するHGFの影響をin vivoモデルを用いて検討するために、ラットに2-acetylaminofluorene(2-AAF)を経口投与した後に部分肝切除を行い(2-AAF/PHモデル)、肝切除施行時から遺伝子組み換え型ヒトHGFを腹腔内に持続投与した。HGF投与群では、HGF非投与群に比して門脈域周囲に出現する小型で卵円形の核を有した細胞から構成される好塩基性の領域が有意に増大した。免疫組織化学染色を用いた検討ではこれらの領域はAFP、c-Kit、CK18、CK19、c-Metを発現している不均一な細胞集団によって構成されていた。以上の結果から、HGFは成熟肝細胞のみならず、肝障害に出現する肝細胞や胆管細胞に分化する能力を持ったoval cellに代表される肝前駆細胞に対しても増殖促進作用を有することが考えられた。一方、EGFPを発現するトランスジェニック(Tg)ラットから骨髄細胞を採取し、2-AAF/PHモデルラットに移植したところ、移植したEGFP陽性骨髄細胞の障害肝への生着は明らかではなかった。これは正常肝そのものが自家蛍光を発しているためと考えられたため、EGFP Tgラットに変わるシステムとしてDPPIVをマーカーにしたシステムを立ち上げた。すなわち、DPPIV欠損ラットに移植したDPPIV(+)(野生型)細胞を検出すべくDPPIV組織化学染色法を確立した。本システムを用いることで移植細胞を追跡することが可能となったため、DPPIV(+)の骨髄細胞および(小型)肝細胞を移植したDPPIV欠損ラットにHGFを投与し、骨髄細胞および肝前駆(幹)細胞の分化・増殖に及ぼすHGFの影響の検討を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 井戸章雄, 坪内博仁: "肝細胞増殖因子(HGF)による再生医療の展望"日本消化器病学会雑誌. 99巻12号. 1436-1442 (2002)

  • [文献書誌] Moriuchi A, Ido A, et al.: "A CRE and the region occupied by a protein induced by growth factors contribute to up-regulation of cyclin D1 expression in hepatocytes"Biochemical and Biophysical Research Communications. 300・2. 415-421 (2003)

  • [文献書誌] 坪内博仁, 井戸章雄, 宇都浩文, 他: "肝発生と再生時のHGF"肝胆膵. 46巻3号. 303-309 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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