研究課題/領域番号 |
14370186
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研究機関 | 宮崎大学(医学部) |
研究代表者 |
坪内 博仁 宮崎大学, 医学部, 教授 (60145480)
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研究分担者 |
井戸 章雄 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30291545)
宇都 浩文 宮崎大学, 医学部, 助手 (20347058)
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キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / 肝幹細胞 / ovall cell / 70%部分肝切除 / 2-acethylaminofluorene / 抗体アレイ / c-kit / AFP |
研究概要 |
肝障害時に出現するOval cellは肝前駆細胞の一つと考えられており、胆管細胞または肝細胞に分化する能力を有し、肝再生において重要な役割を果たしている。肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor, HGF)は、肝の発生や胚性幹細胞および骨髄細胞の肝細胞への分化にも必須の因子であることが報告されている。本研究では、2-acethylaminofluorene(2AAF)/部分肝切除(PH)ラットに遺伝子組み換え型ヒトHGFを投与し、HGFのoval cellの分化・増殖に及ぼす影響を検討した。2-AAF/PHラットにHGFを腹腔内持続投与したところ、oval cellの増殖が促進され、HGF群ではc-Kit、AFP、CK8およびCK18発現細胞がコントロール群と比較してより早期に出現した。また、肝切除後8日目の肝組織中における蛋白発現の網羅的解析を、380種類のモノクローナル抗体がスライドグラス上に配置された抗体アレイを用いて検討すると、HGF群では、154種類の蛋白の発現がコントロール群よりも亢進し、そのうち28種類の蛋白の発現は1.75倍以上の亢進を示した。HGF投与群で高値を示した蛋白のなかには細胞周期関連蛋白やアポトーシスに関連する蛋白が含まれ、肝細胞特異的と考えられるretinol-binding proteinやaldehyde dehydrogenaseが、HGF投与によって発現亢進していた。以上のことから、HGFはoval cellの増殖と肝細胞への分化を促進する可能性が考えられた。
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