研究課題/領域番号 |
14370190
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
井廻 道夫 昭和大学, 医学部, 教授 (70134228)
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研究分担者 |
伊藤 敬義 昭和大学, 医学部, 助手 (50317517)
広石 和正 昭和大学, 医学部, 講師 (80296996)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 細胞障害性T細胞 / エピトープ / インターフェロン |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)特異的細胞障害性T細胞(CTL)応答を詳細に検討すると共に、CTL応答を利用した新たな治療戦略を開発するためには、できるだけ多数のHCV特異的CTLエピトープを同定する必要がある。私達は全HCV蛋白をカバーし、10アミノ酸ずつオーバーラップする400種類の15あるいは20アミノ酸のペプチドを合成し、マクロファージを抗原提示細胞として、まず20種類ずつ混合したペプチド混合物でC型急性肝炎患者末梢血単核球のCD8陽性細胞を刺激し、IFN-γ産生細胞を算定することによりHCV特異的CTLエピトープをスクリーニングした。反応が陽性の場合は個々のペプチドで再度刺激してエピトープの同定を行った。今回はHLA-A*0207、2601、B*3501、4601、Cw*0102、0303の患者とHLA-A*2402、3303、B*4403、5401、Cw*0803、1403の患者の末梢血CD8陽性細胞を用いた。前者ではHCV NS3 1527-1546とHCV NS5B 2591-2605に、後者ではHCV E1 332-351、NS3 1638-1656、NS5B 2591-2605にCTLエピトープが存在することが明らかになった。これらCTLエピトープの内HCV NS3 1531-1539は既知のHLA-B35拘束性CTLのエピトープを含み、かつ患者もHLA-B*3501を有することから同一のエピトープをみている可能性が高い。2人の患者の両者で同定されたHCV NS5B 2594-2602には既知のHLA-A*0201拘束性CTLのエピトープが含まれるが、両患者ともHLA-A*0201は有さず、かつHLA class I分子は全異なることからHCV NS5B 2594-2602には新たな2種類のエピトープが含まれる可能性が高い。
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