研究概要 |
肺線維化症例の線維化関連遺伝子変異の探索 肺線維化症例として特発性肺線維症症例20名、対象として健常者20名の末梢血から抽出されたDNAを用いてSmad4遺伝子,Smad7遺伝子の塩基配列の変異を調べた結果、regulator以外の領域については複数の多型領域は認めたが、肺線維症症例と健常者の間に有意差は認めなかった。 TGF-βシグナル伝達分子と肺線維化、修復再生の制御調節の検討(平成14年度) TGF-βシグナル伝達分子発現ベクターの作成 シグナル伝達促進系ベクター:Smad3,Smad4発現アデノウイルスベクターを作成した。 シグナル伝達抑制系ベクター:Smad7発現アデノウイルスベクターを作成した。 ヒト肺線維芽細胞を用いたin vitro実験 肺線維症の進展に重要な役割を演じているmyofibroblastに注目し、TGF-βとの関連性について検討した。 TGF-β1存在下培養でヒト肺線維芽細胞はα-smooth muscle actin(α-SMA)を発現しmyofibroblastの表現型を示すようになった。 Smad3遺伝子導入によるSmad3過剰発現による肺線維芽細胞由来の収縮反応は、MAPkinase pathwayを介するα-SMA発現増強に由良することを示した。 Smad7はTGF-βによる肺線維芽細胞のmyofibroblastへのphenotypic modulationを抑制することを示した。
|