研究課題/領域番号 |
14370209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 潤一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40183305)
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研究分担者 |
越智 博文 九州大学, 大学病院, 講師 (20325442)
西村 泰治 熊本大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10156119)
村井 弘之 九州大学, 大学病院, 助手 (80325464)
小副川 学 九州大学, 大学病院, 助手
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 多発性硬化症 / 視神経脊髄型 / hsp105 / HLAクラスII / トランスジェニックマウス / SEREX |
研究概要 |
1.視神経脊髄型多発性硬化症(OS-MS)の特異抗原の検索 SEREX法を用いて8名のOS-MS患者血清をスクリーニングすることにより5つの候補抗原が同定された。この内の一つであるheat shock protein 105 (hsp105)に対して、MS患者では液性免疫、細胞性免疫応答が共に亢進していることから、MSの新規自己抗原と考えられた。今回さらに検討を進めた結果、hsp105蛋白に対し免疫抑制性サイトカインIL-10の産生細胞がMS患者では低いことが示され、これがMSの増悪に関与すると推測された。一方、マウスを用いた実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)においては、hsp105蛋白をpHSP105投与により生体内で高発現させることにより、EAEの早期発症と重症化が観察された。しかしながら、pHSP105をマウスに接種後、脾臓細胞をhsp105蛋白にてin vitroで刺激しても、hsp105蛋白に対する増殖応答は認められず、また、フローサイトメーターによる解析においてもCD4陽性細胞やCD8陽性細胞の割合に変化は認められなかった。これらのことは、pHSP105によるEAEの増悪は、hsp105蛋白自体に対する免疫応答の亢進によるものではなく、むしろ、hsp105によるantigen-carrierとしての機能が影響している可能性があり、今後さらなる検討が必要と考えられた。 2.OS-MS動物モデルの作製 OS-MSの疾患感受性遺伝子であるHLA-DP5(DPA1*02022-DPB1*0501)のTg-マウスを作製し得た。現在3系統のラインが存在し、HLA-DP5の発現や機能の解析後、系統選択を行う。また、今後RAG2-KOマウスと掛け合わせ、DP5拘束性自己反応性T細胞の解析を行い、OS-MSの特異な病巣形成に関わるメカニズムの解明に務めていきたい。
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