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2003 年度 実績報告書

ナチュラルキラーT(NKT)細胞を標的とした動脈硬化症の新しい治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14370215
研究機関北海道大学

研究代表者

藤井 聡  北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90291228)

研究分担者 岩渕 和也  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (20184898)
小野江 和則  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
キーワード動脈硬化 / 骨髄由来細胞 / リンパ球 / NKT細胞 / マウス / CD1d分子 / 遺伝子 / サイトカイン
研究概要

われわれは既にNKT細胞は動脈硬化に促進性に働くことをマウスで示してきた。今年度、NKT細胞が病巣に存在しているかを検討した。NKT細胞を活性化するリガンドα-GalCer反応性NKT細胞が発現するVα14Jα18のT細胞レセプター(TCR)再構成が、動脈硬化サンプルにおいて検出されるかを調べた。30週齢の動脈硬化食(AD)飼育下あるいは普通食(chow)飼育下野生型(WT)マウス、chow飼育下apoE^<-/->マウスを犠牲死させ、大動脈起始部から胸部大動脈遠位部にかけて標本を摘出した。RNAを抽出し、cDNAを作製、Vα14Jα18の発現をみるため2段階のPCRを行うnested PCRを施行した。positive controlにはWTマウスの脾臓から抽出したRNAを、negative controlにはJα18^<-/->マウスの脾臓から抽出したRNAを用いた。動脈硬化が認められるapoE^<-/->マウス、およびAD飼育下WTマウスの大動脈サンプルにおいて、Vα14Jα18のTCR再構成がmRNAレベルで確認された。chow飼育下WTマウスの大動脈サンプルにおいては、Vα14Jα18mRNAは確認されなかった。Vα14Jα18陽性細胞が動脈硬化の進展した組織のみに存在し、in situに機能している可能性が強く示唆された。
更にNKT細胞がどのような機序により動脈硬化進展過程に関与しているかを検討するため、3-4ヶ月齢のWT、またはNKT細胞の発達しないCD1d^<-/->マウスより腹腔マクロファージを採取し、メディウム中で細胞濃度を2x10^6/mlに調製、これにLDLもしくは酸化LDLを10ないし50μg/ml、またはコントロールとしてメディウムのみを添加し、24-48時間培養した。フローサイトメトリーにてMac-1^+細胞上のCD1dを含む各種表面マーカーの発現を調べた。酸化LDL50μg/ml添加で、CD1dの発現が亢進していた。H-2K^bに関しては、発現量に変化を認めなかった。酸化LDL添加によるCD1dの発現亢進に酸化LDL濃度依存性がみられた。また酸化LDL添加48時間の培養では、さらにCD1dの発現が増加しており、この時点ではLDL添加群においても軽度のCD1d発現上昇がみられなかった。
今後、酸化LDLがNKT細胞を活性化する機構を詳細に検討する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Sugawara T, Fujii S, Zaman AKM T: "Coronary capillary network remodeling in aged obese diabetic rats"Mol Cell Biochem. 248. 165-170 (2003)

  • [文献書誌] Goto D, Fujii S, Kaneko T: "Intracellular signal transduction modulating expression of PAI-1"Biochem Pharmacol. 65. 1907-1914 (2003)

  • [文献書誌] Oyama N, Oyama N, Fujii S: "Left ventricular asynchrony caused by an intra-muscular lipoma"Circulation. 107. E200-E201 (2003)

  • [文献書誌] Goto D, Fujii S, Kitabatake A: "Rho/Rho-Kinase as a novel therapeutic target"Drugs of the Furture. 28. 267-271 (2003)

  • [文献書誌] Dong J, Fujii S, Goto D: "Increased expression of plasminogen activator inhibitor-1 by mediators"Hypertens Res. 26. 723-729 (2003)

  • [文献書誌] Morohashi T, Iwabuchi K, Fujii S, Onoe K.: "Allograft inflammatory factor-1 (AIF-1) regulates colitis"Immunology. 110. 112-119 (2003)

  • [文献書誌] 藤井 聡, 岩渕 和也, 小野江 和則: "動脈硬化病巣進展におけるNKT細胞の役割"科学評論社(印刷中).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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