研究概要 |
平成14年度は以下の点を明らかにした。 1.レニン-アンギオテンシン系における遺伝子多型の解析を完了。アンギオテンシノーゲン(M235T多型)、アンギオテンシン変換酵素(ACE I/D多型、アンギオテンシンII受容体(AT1A/C^<1166>多型)の解析を終了し、いずれも日本人においては高血圧症に影響がないことを報告した(Am J Hypetens 15:628-632,2002, J Hypertens20:1121-1126,2002, Hypertens Res 26:27-52,2003,Hypertens Res 26:141-145,2003) 2.上皮性Naチャンネルの日本人のおける特異的遺伝子多型の位置、頻度、臨床的意義の決定。上皮性Naチャンネルβサブユニット(βENaC)の遺伝子解析を終了した。結果、βENaCの遺伝子変異の中には血圧への影響が否定できず、血中Na濃度にも影響していると考えられるものが見出された(Clin Exp Nephrol 6:130-134,2002. Am J Hypertens 15:189-192,2002)。 3.アルドステロン合成酵素遺伝子(CYP11B2)多型の解析。上記のごとく、CYP11B2以外のレニン-アンギオテンシン-アルドステロン-Naチャンネル系の遺伝子多型の血圧への影響の程度が判明し、改めて、CYP11B2の解析の重要性が確認できたため、現在この遺伝子の研究が進行中である。
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