研究分担者 |
大蔵 隆文 愛媛大学, 医学部, 講師 (40260385)
三木 哲郎 愛媛大学, 医学部, 教授 (00174003)
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
楽木 宏美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20252679)
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30311757)
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研究概要 |
高血圧とこれに関係する循環器病の遣伝-環境相互作用の検討を行った.高血圧自然発症ラットの高発現遺伝子をマイクロアレイ法でスクリーニングした結果,キヌレイン分解酵素遺伝子を候補遺伝子として発見した.また先に同様の手法で同定されていたラット高血圧遺伝子Saのヒトにおけるホモログ,アシルCoA合成酵素遺伝子がメタボリック症候群の原因遺伝子である可能性を明らかにした(国立循環器病センターとの共同研究).またアンジオテンシノージェン235T遺伝子多型が夜間の血圧低下を起こさないノンディッパーと関連することを明らかにした.ノンディッパーは食塩感受性体質の者に多く現れ,合併症を多発することが知られている.一方,愛媛大学においても患者の同意を得た肥大型および拡張型心筋症患者からDNAを採取している.肥大型心筋症では心房細動を発症してくるものは予後不良である.アンジオテンシン変換酵素遺伝子多型と心房細動の発症はII型で有意に高値であった.さらに炎症関連遺伝子多型と疾患感受性との関連について検討し,拡張型心筋症ではMonocyte Chemoattractant Protein-1の遺伝子多型が,肥大型心筋症では内皮型一酸化窒素合成酵素の遺伝子多型が疾患感受性に関与していることを明らかにした.また各種循環器病に共通する病態についても検討し,インスリン抵抗性が,高血圧だけでなく,広く高血圧性心肥大や肥大型心筋症の病態にも遺伝的にかかわっていることを明らかにした.また転写因子C/EBPの働きに重要な関与をしているインターロイキン10遺伝子多型が寿命に影響する,おそらく重症の循環器病と関連することが示唆されており,現在検索を進めている.今後さらに研究を進めることでテーラーメイド医療への道が広がるものと考えている.
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