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2002 年度 実績報告書

原発性免疫不全症における細胞骨格調節異常の解明と遺伝子治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14370239
研究機関東北大学

研究代表者

峯岸 正好  東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (20211592)

研究分担者 大橋 芳之  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60250825)
キーワードウイスコット・アルドリッチ症候群 / WAS蛋白 / beta1-インテグリン / シグナル伝達 / 細胞骨格
研究概要

Wiskott-Aldrich症候群(WAS)の原因遺伝子WAS蛋白(WASP)遺伝子がコードするWASPは細胞形態や細胞運動等の高次機能を制御しているものと考えられているが、本症候群における免疫不全症の分子機構については未だ不明のままである。本研究においては細胞抗原レセプターとbeta-1インテグリンを介した2つのシグナル伝達系と細胞骨格を制御すると考えられているWASPとの関連を明らかにすることにより、免疫不全症に関わる細胞骨格調節異常の分子機構を解明し、WAS患者の遺伝子治療の可能性を探ることを目的とし、本年度は以下の実験を行なった。
正常ヒトおよびWAS患者由来株化B細胞を用い、固相化フィブロネクチン刺激によるbeta1-インテグリンシグナル伝達系の機能をアダプター分子Casのチロシンリン酸化を検出することにより解析した。2例のWAS患者由来株化B細胞において、Cas分子のチロシンリン酸化が減弱していることを見い出した。この結果はbeta1-インテグリンにおけるシグナル伝達においてWASP分子が関与する可能性を示唆していると思われた。次に白血病患者由来T細胞株L-KAWを用いて固相化フィブロネクチン刺激後のWASP分子のチロシンリン酸化を検討した。免疫沈降のための抗WASP抗体は筆者らが開発したマウス単クローン抗体5A5を用いた。刺激後1〜2分にかけてWASP分子のチロシンリン酸化が観察された。この結果はbeta1-インテグリンを介したシグナル伝達においてWASP分子が関与する可能性を支持していた。そこでさらにbeta1-インテグリン(CD29)抗体4B4を固相化し、L-KAW細胞を用いて同様の実験を行なったところ、刺激後2〜5分にかけてWASP分子のチロシンリン酸化が観察された。まだ予備的な実験結果の段階ではあるが、beta1-インテグリンを介したシグナル伝達系とWASPをはじめとする細胞骨格系との連繋の可能性が示唆され、細胞骨格調節異常が免疫不全症の発症機構に関与することを解明する糸口になるものと思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kawai S, Minegishi M, et al.: "Flow cytometric determination of intracytoplasmic Wiskott-Aldrich syndrome Protein in peripheral blood lymphocyte subpopulation"J. Immunol Methods. 260. 195-205 (2002)

  • [文献書誌] Kudoh Y, Minegishi M, et al.: "The absolute number of peripheral blood CD34+ cells predicts a timing for apheresis and progenitor cell yield in patients with hematologic malignancies and solid tumors"Tohoku J. Exp. Med.. 199(in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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